日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをご紹介していきます。
今日ご紹介するのは、仕事とプライベートの両立にまつわるモヤモヤエピソードです。
悩んでいるのは妊活ではなくて…
エピソードをお寄せくださったのは、通販会社で働くミホさん(37歳・会社員)。
インターネット通販サイトを運営する仕事をしています。コロナ禍需要もあって業績は上向き、人手不足を解消するために中途採用にも積極的で、私も2年前に転職してきました。中途入社でも評価に影響はないようで、私も昇格試験を受ければ来年からチームリーダーになれると上司から説明されました。
今はリモートワークも活用しながらマイペースに働けていますが、チームリーダーの仕事は大変そう……。「ちょっと考えさせてください」と伝えると、「リーダーになると見える景色も変わるし、ぜひ挑戦してほしい。プライベート含めて、働き方で不安なことがあれば相談にのるよ」と熱心に言ってもらいました。
私は既婚・子無しなので、「子どもを持つつもりがあるのか?」みたいなことも上司は気になっているのではないかなと思います。私は夫と二人暮らしが気に入っているので、子どもを作る予定はありません。それより、15年前から習っている茶道との両立が気になっています。もっとお茶をする時間を作って、どっぷり茶道の世界に浸りたい。お茶をやっている時間はスマホも見られないので、業務後も休日もメールチェックするなんて無理です。先生からも、「ミホさんが色々手伝ってくれたらありがたいんだけど……」と言われていて、その思いにも応えたいな……と。
でも、そのことは上司に言い出せず……。私にとって茶道は生きがいですが、家庭を持っている人から見れば、単なる趣味と仕事の両立でなぜ悩むの? と思われてしまうのではないかと不安です。プライベートの問題といえば「家族の問題」のみという風潮があるように感じてモヤモヤします。
“家族以外”のプライベートの事情は言い出しにくい?
「ぜひ昇格試験を受けてほしい」と熱心に言われているなんて、ミホさんの日頃の仕事振りが垣間見えますね。もしかすると、茶道があるからこそ精神的に充足していて、良い仕事ができているのかもしれません。
一方で、職場で働き方を相談する上で、「趣味があるので……」と言い出しにくい気持ちはよく分かります。子育てや介護など、家庭の事情は堂々と言える世の中になってきましたが、そうではない事情についてはまだまだ「こんなことを仕事の場で持ち出すのは気が引ける」という人も多いと思います。
確かに、人の命がかかっていて「待ったなし」の子育てや介護と、趣味は捉えられ方が違うかもしれません。でも、「その人にとって大切なもの」という意味では同じではないでしょうか。「私の趣味は、●さんの子育てほど重要ではないから」と頭では納得したつもりでも、言うのを我慢して趣味の時間が作れずにいたら不満が積み重なって、会社の仕事自体が嫌になってしまうかもしれません。
せっかく上司の方が「不安があれば相談して」と言ってくれているのですから、勇気を出して話してみるのはいかがでしょうか。人には色々な事情があると知ることは、長い目で見れば会社や上司にとってもメリットがあると思います。
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