日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをご紹介していきます。

今日ご紹介するのは、お客様対応にまつわるモヤモヤエピソードです。

 

「ふざけるな!」「うるさい!」…怒鳴る顧客に涙が


エピソードをお寄せくださったのは、広告会社で働くヨウコさん(40歳・会社員)。

広告業界で働いて15年以上になります。以前はそこそこ大手の会社で働いていたのですが、競争が厳しくて出世も思うようにいかず、どんどん若手も台頭してきて現場から遠のいてしまう自分に焦りがありました。

40歳を前に改めて自分のキャリアを考え、もう少し規模の小さい会社に移った方が、ほどよいワークライフバランスで、手堅く仕事ができるのではないかと考え始めました。そして、1年近くかけて転職。じっくり情報収集し考えて決めたので、実際に働きはじめるととても良い職場で、「転職してよかった~」と思っていました。

しかし、最近他の人から引継ぎを受けたお客さんのことでモヤモヤしています。上司から、「ヨウコさんも慣れてきたみたいだから、ちょっとこういうお客さんも担当してみて」と説明され、どういうことかと思ったら、いわゆるちょっと「難しい」お客さん。

お取引は長く、定期的に仕事の発注があるので、そういう意味では「良い」お客さんなのですが、社長と担当者がとっても気難しいんです。質問したり反論したりすると電話口で乱暴な言葉で怒鳴るし、理不尽なクレームで応接室に2時間近く居座ることもザラ。仕事も大した意味なく何度もやり直させるし……。私が以前働いている会社だったら付き合わないようなお客さんです。

慣れてきたとはいえまだ職場では新人なので、「デキることを証明しないと!」と、頑張って応対しているのですが、だんだん気持ちが折れてしまいました。同僚たちは「あそこは仕方ないんだよ」と慰めてくれますが、ついに先日、40歳にもなって職場でふと泣いてしまいました。電話をとるのが怖いし、眠れないし……転職が間違っていたのかなと考えて悶々としています。

 


最近注目されている“カスハラ”とは?

 

難しいお客さんの対応、本当に大変そうですね。ヨウコさんのメンタル状況が心配です。「長く取引がある大事なお客さん」という扱いならなおさら、しょっちゅう顔も合わせるし、電話も受けないといけないし、しんどいですよね……。

最近注目されているハラスメントの一つとして、「カスタマーハラスメント(カスハラ)」があります。

カスハラとは、客が従業員に対しハラスメント行為をすること。暴力や脅迫・ネットでの中傷などに加えて、怒鳴ったり長時間拘束してクレームしたりすることも含まれると考えられています。

国際的には、2019年に国際労働期間がカスハラを含めた「ハラスメント禁止条約」を採択しました。日本では、2022年に厚生労働省がカスハラ防止対策の一環として「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を作成しています。日本の大手企業でも、カスハラ対策を公にする例が増えてきているようです。

 
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