日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをご紹介していきます。

今日ご紹介するのは、セックスにまつわるモヤモヤエピソードです。

「38歳、セックス経験なし」


エピソードをお寄せくださったのは、小学校で先生をしているユウミさん(38歳・教師)。


公立小学校で教職歴15年、すっかりベテランになりました。子ども相手の仕事は日々いろんなことが起き、保護者や同僚との関係にも悩むことが多いです。しかしそれでも、教育という社会の根幹を支える仕事に誇りをもって働いています。

そんな私の秘密……、それは処女であること。誰かとお付き合いしたことも、キスもセックスも経験がありません。好きな人がいたことはあるのですが思いは実らず、好意を寄せてくれる人がいても「なんとなく」で付き合えるほど器用な性格でもなく。結局、この歳まで未経験のまま生きてきてしまいました。

友人と集まっても、仕事の話や趣味の話は楽しくできるのですが、恋愛トークになると気まずくなります。お酒が入るとちょっとセクシャルな打ち明け話になることもあり、そうなるともうどうしたらいいか……。処女だということが恥ずかしくて、「ユウミは?」と聞かれても適当にごまかしてしまう私。彼氏がいたことがないことも、セックスの経験がないことも、誰にもはっきり告白できたことがありません。友人と腹を割って話すことができず、距離をとってしまうことも多々あります。

実家に住んでいた頃は、男っ気がないことは両親にはバレていたと思います。二人共、私のことを憐れんだ目で見ている気がして、数年前に一人暮らしを始めました。

恋愛経験・セックス経験がない自分が、欠陥品・不良品のように思えて辛いです。無理やりにでも誰かと付き合うべきか、いっそ女性用風俗にでも行って処女を捨てるべきか。そんなことを考えてしまうこともあります。

 


セックスは人生の必須科目?

恋愛やセックスにまつわる話って、なんだかんだ定番のトークテーマですよね。周囲の人たちと話していて、「経験のない自分がおかしいのだろうか?」と不安になってしまう気持ち、分かります。みんなが当たり前のように経験している(ように見える)ことを自分は経験していない……コンプレックスに感じても仕方がないように思います。

しかし当たり前ですが、だからと言って「欠陥品」だなんてことは絶対にありません。その「欠陥」を補うためだけに、ユウミさんが好きでもない人と付き合ったりセックスしたりする必要はありません。自分で自分を追い詰めて、したくないことを無理にしても後悔するだけではないでしょうか。

恋愛やセックスは、特別な才能や資金がなくてもチャンスがあれば楽しめる、人生のコンテンツのようなものだと思います。でも、「人生の“必須科目”か?」と言われるとそうではないような。

 
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