―― ご自身で取り入れてみて良かったと感じる流行のメイクはありますか。
大西さん:やはり眉ですね。私たちの時代はそれこそ安室奈美恵さんなど、眉がすごく細いのが流行っていたので、抜いてしまっていてもうまゆが生えなくなっている方も多いです。でも、今は細い眉毛よりは、もう少し太めの眉が大きな流れとして流行ってきてるので。
あと、年齢を重ねると、目と眉毛の間の幅が長くなってくるんです。 お顔全体が年を重ねると、面長になってくるのと、老眼で物が見えにくくなるので目を見開いて見ようとするので、眉と目の間が長くなって、眉の上の筋肉が発達してキュッと眉山が上がってくるんです。
なので、眉下部分に、1ミリぐらいちょっと太さを出してあげると若々しくなります。
――眉山が昔よりできてきたと感じるのは、筋肉の関係だったんですね。
大西さん:そうですね、どうしても目を見開こうと力が入るので、 結構、眉山に筋肉がついている方が多いんですよ、年齢と共にそうなる方も多いですし、表情筋の癖でついてしまっている方もいます。
もし平行眉に近づけたい場合には、眉山だけを剃ってしまうとご自身の生まれ持った眉の形から離れてしまうので不自然な眉になりがちです。なので、眉山だけで調整しないで、眉頭がちょっと斜めに、鋭角になっているから眉が上がっているように見えるので、眉頭の上に少し足してあげて、で、眉山も少し削ってみるのがいいです。
眉頭と眉山の両方を上手にバランスよく調整すると、元々持って生まれた眉をそんなに変えずに平行眉に近づけられると思いますよ。
―― これまでの投稿で反響があったものを教えていただきたいです。
大西さん:何回か投稿しているのですが、チークの入れ方に関するものです。私たち世代ってすごくチークが大事なんですよ。
50代以降の方だと「チークをするとおてもやんみたいになっちゃう」とか「チークの入れ方がよくわからない」とチークが苦手な方が多いようです。あとは「肝斑が出てきている頬の高い部分にチークを入れると、肝斑が浮き出て見えるようでチークを入れたくない」とか。
でも、私はメイクの中で私たち世代に一番大事なのはチークだとお伝えしています、それは血色感が出るからです。先ほどお伝えした、生き生きとしている「生命力」って、血が通っているという血色感でもあるので。
チークの入れ方は「まがたま」の形を意識します。ちょうど黒目の下に「まがたま」の丸い部分が来るようにして、ちょっとだけ引き上げながらスッとこめかみの方に向かうのが、 私たちに必要なチークの形だなと思っています。
チークの入れ方に関する動画は毎回反響が大きいので、チークを入れたいけれど、うまく入れられないという方が多いんだな、と思っています。あと、メイクのことではないのですが、女性として離婚などを経験しながら、「まあ、そんなに頑張らなくてもいいよね」という生き方についての投稿も、思いのほか反響をいただいています。
「年だから」と思わず、自分のためにメイクを楽しんでほしい
――今後どんなメイクを伝えていきたいといった予定はありますか。
大西さん:自分の素肌が相手にちゃんと透けて見えるようなナチュラルなベースメイクを、今後も一貫して伝えていきたいと思っています。「ナチュラルなのがいい」と言ってしまうと、「じゃあBBクリームだけにすればいいよね」などとおっしゃる方も多いんですが、ナチュラルなメイクって、シンプルにするということではなく、ちゃんと手をかけることが大事なんです。
ナチュラルなツヤ肌にするためには、まず素肌のスキンケアがしっかりできていること、整っていることがポイントです。そして、下地をきちんと使うこと。保湿や紫外線防止のものをしっかりつけてほしいです。
スキンケアと下地をしっかりして、 最後のファンデーションは逆に、若い頃と違ってごく薄く仕上げる、という工程の大切さは一貫して変わらずに伝えたいですね。
あとは、60代になっても、ちょっと夜、お出かけしたい時もあるし、たまにはいつもとは違ったメイクをして、自分の気分を上げたり、女性性を強く感じたいという場面がまだまだたくさんあると思うので、ポイントメイクとして、華やかなリップをつける時に注意したいポイントを投稿したり。
ベースメイクはナチュラルなまま変えずに、ポイントメイクで印象を変えたり楽しめますよ、ということを伝えていきたいなと思っています。
――ミモレ読者に向けてメイクに関するアドバイスやメッセージをいただけますか。
大西さん:ずっとお話してきた「生命力」のこと以外であえて言うなら、 自分のためにメイクを楽しんでほしいな、と思いますね。メイクレッスンをしていると、たまに「もう年だから」とか「年なのに恥ずかしい」とおっしゃる方もいるんですが、 もうこれからはご自身のためのメイクだと思ってください。
今までは、会社に行く時には礼儀としてメイクはしていかなきゃいけないとか、お子さんを育てている方だったら、お子さんの学校に行く時にはきちんとしたお母さんだと思われるようにメイクをしていくとか、 誰かのためにメイクをすることが多かったと思うんです。 でも、もうそろそろ自分のために楽しむためにメイクをしてみたらいいんじゃないでしょうか。
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るん大西さんのメイク動画を見ていると、なんだか澄んだ雰囲気があると感じていましたが、まさに「清潔感」を感じ取っていたのだと思いました。なんか元気そうに見える「生命力」のある顔は、いろいろある今の時代でもメイクをした自分自身だけでなく、きっと相手にも元気を与えるはずだと感じたインタビューでした。
「るん大西/大人女子 なりたい自分になる」さんのInstagramはこちら>>
次回の「SNSで見つけた『バズり人』さん」もお楽しみに!
写真/Shutterstock
構成・文/大槻由実子
編集/坂口彩
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