予防医療はパーソナライズな時代へ

入江　自分の体を知るために有効なのが人間ドックですが、こちらの施設で推し進めているのが、パーソナライズド・ドック。一人ひとりに合わせた、カスタマイズされた人間ドックですね。

高石　パーソナライズ・ドックでは対話を大切にしています。検査前には入念な問診を行い、話の流れによっては、必要な検査を付け加えたりします。病気があるかないかは、私達医療従事者にもわかりませんので、しっかりと話し合い、病気を想定して行うべき検査を絞り込んでいかないと、正確な診断はできないのです。また検査終了後の結果説明も大切です。私達の施設では、検査当日のうちに、受診者の健康への思いがまだホットな状態で医師から丁寧な説明が行われます。

入江　パーソナライズ化することで、気づいていない病気や、将来の病気のリスクが発見しやすくなるんですね。

藤本　40代女性の場合、「基本コース」を受けるといいんでしょうか？　女性特有の病気を調べる「レディースセット」などの専門セット、「大腸内視鏡」などのオプション検査と、たくさんの選択肢があって……。

高石　まず基本コースを予約していただいて、問診次第で検査を追加するのがいいかと思います。

入江　ただこちらはなかなか予約が取りづらいとか……。

高石　お一人お一人メニューも違いますし、どうしてもお受けできる人数が限られてしまうんですよね。

入江　人間ドックのパーソナライズ化はこれからどんどん進むんでしょうか？

高石　はい、予防医療の分野に限らず、個別化医療はこれからも、より早期に、より精密にと、さらに細かく個別化されて行きます。それでも最も大切なのは、医師、看護師を始めとする医療スタッフと受診者の対話に基づく信頼関係だと思います。

藤本　世界最新の医療機器につい注目してしまいますが、丁寧なカウンセリングを通して発見される未病がたくさんある、そして信頼関係が大切だというのは、ちょっと意外でした。世の中的にもそういう病院や施設が増えていくと、これから年齢を重ねていく私たちも安心できますね。

 

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