トレーニングで、自分の体の“マスター”を取り戻す
ジャケットとTシャツを身につける時、シンプルであるがゆえに、一歩間違うとだらしなく見えてしまうことがあります。安藤さんが30年来愛用しているTシャツは、プチバトーのSサイズ。安藤さんは、このTシャツと、ユニクロのジーンズというスタイルができなくなったら、「もう終わり」と思っているほど。
「ハイブランドのものを身に付けていても、自分のボディコントロールができていなかったら全然似合わない。私はTシャツ1枚でも勝負できる自分でありたいと思いました」
トレーニングを始めたのも40代前半から。シンプルな装いをかっこよく見せるため、というのも理由の一つでしたが、「自分の体を自分に取り戻したい」という思いもあったといいます。
「この頃、自分の忙しさが、自分でコントロールできないくらい大変でした。だから、自分の体の“マスター”は誰なのかという疑問が芽生えて、自分の体は、自分がきっちりコントロールしたいという思いから、トレーニングを始めました。私は意志が弱いので、パーソナルでトレーナーにしっかり見てもらっています」
トレーニングの頻度は少なくなったものの、65歳になった今も続けているという安藤さん。
「こだわるタイプなので、トレーニングを始めた頃は、朝ジムで運動して、パーソナルに行って、夕方にもまた一人でジムに行って……、ということを週4でやっていたりもしました。今はそこまでではなくて週1〜2回ですが、40〜60代の私が仕事、親の介護、大学院での勉強など、いろんなことを乗り越えられたのは、体を鍛えて、自分でコントロールするというトレーニングのおかげだと思っています」
フレンチブルドックのリンゴ(リン)との散歩が日課で、1時間半も歩くことがあるという安藤さんですが、最近は少し運動不足を実感しています。
「リンとの散歩はすごくいい有酸素運動になっているのですが、全身運動が足りていなくて、いい汗をかきたい! と思っています。最近、キックボクシングに興味があって、今年挑戦したいと思っています」
安藤さんは、一度、自分でやろうと思ったものはやめずに続けるタイプ。トレーニングも、「今日はいいかな」と休んでしまうことはあるものの、そんな自分も受容してきたといいます。
「自分を励ますというか、自分をあやす。ダメな自分も自分なので、無理はしません。でも、自分が不快だと思うことはしません。でも、少しでも自分にとっていいと思ったら、続けるようにしています」
2月14日公開の後編では、40代で大学院に入り、今も研究を続けている「女性の生き方」や、安藤さんにとって生きる原点でもあるという「食」についてお話をお伺いします。
インタビュー後編
「【安藤優子】「女だからと言わせない」と力んでいた頃に比べシンプルに。当たり前の日常に感謝して、目の前のことに向き合う」>>
『アンドーの今もずっと好きなもの。』安藤優子 (著)
1430円 宝島社
ジャーナリスト・安藤優子の「おしゃれのセオリー」と「日々の料理のこだわり」を余すところなくご紹介。
長年、数多くのメディアで色々と紹介をしてきましたが、その集大成となる一冊です。
なんと、今回はすべて安藤さんのオール私服&セルフスタイリングで登場。
ユニクロやZARAなど、ファストファッションの安藤流コーデ術は必見です。
さらに、お料理ページもすべて安藤さんの手作り&オリジナルレシピによるもの。
合言葉は『だいたい&ちゃちゃっと』。台所にあるいつもの材料で作れる、お洒落で洗練された時短レシピを28品掲載しています。
“ちょっとした工夫”で日々のおしゃれも食事も『特別』なものに…。
そんな安藤さん流アイディアが詰まった一冊です。
編集・取材・文/𠮷川明子
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