④ バッグを持つとき
ものを持つときのコツは、なるべく体に沿わせて動きを安定させること。バッグが体にぶつからないように、片手でおさえておくとさらに美しく見えます。バッグはお財布などの貴重品が入っているものなので、まずは安全第一。しっかり体の近くで持ちつつも、手を完全に「グー」や「パー」にするのではなく、人差し指と親指でハートを作れるくらいに力を緩めて、品格を演出しましょう。
がさつな印象
指先まで意識を向けず、バッグを体にぶつけながら歩く
バッグをかけている側の手は目立ってしまい、気を抜いているとだらしなく見えます。さらに体にバッグをぶつけながら歩くのも美しくないので、もう片方の手でおさえるのがベター。ところが街ナカでは、多くの方がもう片方の手にスマホを持っていますよね。歩きスマホはみっともないだけでなく、危険で周囲にも迷惑をかけるのでやめてください。
エレガント
指先に品格を宿して、バッグを軽く押さえつつ歩く
指先まで意識を向けているかどうかだけで、見え方が全く違うのがおわかりになるでしょうか。特にバッグをかけている側の手の親指と人差し指を伸ばすようにすると品格を感じられます。反対側の手でバッグが安定するよう軽くおさえ、背筋を伸ばして前をしっかり見て歩きましょう。バッグをかけている側の手首は返しても大丈夫です。
⑤ ペットボトルのドリンクを飲むとき
「頭」ではなく「手」を動かす、の鉄則は、こんなところにも当てはまります。たとえペットボトルでも、シャンパングラスを持っているようなつもりでエレガントに振る舞って。
がさつな印象
アゴとヒジを高く上げて飲む
アゴやヒジを高く上げて飲むと、ガブ飲みしているように、さらに言うと、お酒をあおっているようにも見えます。しかも人がいるときに真正面を向いて飲むと、鼻の穴まで丸見えに!
エレガント
手首のスナップをきかせて飲む
アゴやヒジを上げるのではなく、手首を返しながらペットボトルを傾けます。ペットボトルを持つ手の指も揃えたほうが綺麗。飲むときは、少し横を向いた方が上品です。
\これも気をつけて!/
両腕でペットボトルをひねろうとするとヒジが上がり、ワキも開いてしまうので、キャップ側を軸にして指先で持ち、下の手でボトルを回すようにするのが◎。
こうやって写真を並べてみると、ちょっとした所作の違いで、見え方が大きく変わるのをおわかりいただけたのではないでしょうか?
ここまで読まれた方のなかには、仕事や子育て、介護などに忙しく、「周囲の目なんて気にしている余裕はない! もっと大切なことがたくさんある!」と思われる方もいるかと思います。でも、私はだからこそ、「周りが気持ちよくいられるか?」という広い視野を、余裕があるときだけでも持っていただき、クセづけられるといいのかなと感じています。
次回は、今回の記事でも度々触れた「姿勢」についてです。自分の姿勢の現状や正しい姿勢を知ることで、若々しく健康的に過ごしましょう。「脱・がさつ見え」の総仕上げに、ぜひこちらもご覧ください。
『明日から美人』
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(C C Cメディアハウス刊)
今回インタビューをした野原 遥さんによる、それぞれの人の中にある「本当の美」を引き出すための体の使い方の本が発売中。「本当の美」を引き出す「正しい姿勢」と「洗練された振る舞い」を、丁寧な図解でわかりやすく解説します。凛とした立ち姿や、流れるような歩き方、ふんわりと重力を感じさせないような座り方のほか、グラスに口をつけたり、バッグからハンカチを取り出したりするときの優雅な所作を学ぶことで、全身から美のオーラが放たれます。誰もが持つオリジナルの魅力を輝かせるための、一生ものの知識が得られる一冊。
写真/目黒智子
ヘアメイク/コンイルミ[ROI]
取材・文/中田絢子
編集/國見 香
第1回「「そのしぐさ、おばさん見えかも?」40代・50代がついついやってしまう会話中のリアクションは?【バチェラー3参加者・野原 遥】」>>
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