今はSNSでだれでも情報を発信できる時代。あなたが知りたかった情報は、誰かがもうネットの海で発信しているかも。本特集は、ミモレ編集部から「新たな視点を得ることができる」「癒しになる」「知らない世界のリアルがわかる」情報をSNSで発信し、密かにバズっている人=「バズり人(びと)」さんのSNSアカウントをご紹介します。

今回は、X(旧Twitter)でフェミニンなワンピースやスカートから酒瓶を出す動画が話題になった「元鈴木さん」にインタビューしました。元鈴木さんは、女性の体を美しく見せるデザインでありつつ、シルエットを崩さない大きなポケットがついているといった、デザインと実用性を両立させた服作りをしている実業家です。

羽田の航空機事故をきっかけに「防災ジャケット」やカーゴパンツを企画しようと考えている「元鈴木さん」_img0
 


日本女性は胸の谷間と下着のラインを見せたくない


――「日本の女性は世界的に見てもかなり神経質に生々しさを嫌う」とポストされていましたが、服作りをしていて思う、日本女性特有の洋服の好みについてお聞きしたいです。


元鈴木さん:皆さん、胸の谷間を見せたくないのと、肉感や服のアタリを非常に嫌いますね。私のアカウントにも発生するのですが、ショーツのラインを必死になって探してくるおじさんや谷間が出てるだけで異様なほど見てくる男性がいるんです。不躾な視線を浴びると居心地が悪いので、みなさん肉感や生々しさを避けるんだと思います。

 


――その「肉感や服のアタリ」というのは服のどの辺りの部分になるのでしょうか。

元鈴木さん:下着が関係するところが多くて、ショーツのラインやブラジャーの背中側のラインが出るような質感の生地のお洋服はあまり売れなかったんです。

――それは、生地だけなのでしょうか。服のシルエットで「こういうお洋服って素敵だけど売れないな」というものはありましたか。

元鈴木さん:ありました。初期の頃にピンナップガールのようなボディコンシャスでレトロな雰囲気のお洋服を作っていたのですが、その時にスパゲッティーストラップって言って、すごく細い肩紐のキャミソール型のタイトなワンピースを企画したのですが、これが見事に売れなくて大失敗しました。

なぜ売れなかったのを振り返った時、お客様が画像を見ただけで「きっと自分が着たら下着のラインが出るだろうな」と心配になってしまうような商品を作っていたなと気づいたんです。「なんて独りよがりな物作りをしてしまったんだろう」という反省がありました。

――そんな日本女性の好みに対して、服作りの時に工夫されてるポイントがあれば教えていただきたいです。

元鈴木さん:弊社のお客様だと、顔周りをスッキリ見せたいということでVネックのトップスが欲しい方が多いんです。でも、深いVネックだと胸の谷間が見える可能性がありますよね。顔周りをスッキリ見せたいことと、谷間を見せたくないことを両立させるために、胸の下についているリボンをシュッと引くことで、どんな胸のサイズの方でもピッタリお肉の部分に生地が沿って、谷間を絶対に見せないという工夫をした「谷間死守ワンピ」こと、ホリデーワンピというものを作ったことがあります。

――深いVネックだと、胸の谷間が見えていないかってすごく気になりますよね⋯⋯。

元鈴木さん:私は実は谷間は全然出す方なんですけれど、電車に乗った時とかにすっごい男性から見られるのを感じます。遠慮のない視線を感じて居心地が悪いし、単純に失礼だなと思うことが多いので。

――かといって、Vネックから谷間が見えないようにキャミソールなどで隠すのもせっかくのVネックのラインを崩してしまうのでイヤだなと思います。

元鈴木さん:そうなんです。それに最近、日本も夏が暑くなってきているじゃないですか。重ね着しているとそれだけで暑いですから、何枚も着たくないなっていう時のためにも、一枚でさらっと着られて快適かどうかという点に気をつけて作っています。「快適」というのは、先ほどのような他人からの無遠慮な目線を回避できるということも含まれています。