今はSNSでだれでも情報を発信できる時代。あなたが知りたかった情報は、誰かがもうネットの海で発信しているかも。本特集は、ミモレ編集部から「新たな視点を得ることができる」「癒しになる」「知らない世界のリアルがわかる」情報をSNSで発信し、密かにバズっている人=「バズり人(びと)」さんのSNSアカウントをご紹介します。
今回は、「しめじみたい」と言われた昭和レトロなマンションの画像がX(旧Twitter)で話題になった「ROKO:古き良き懐かしき巡礼」さんにインタビューしました。ROKOさんは「#昭和の素敵なマンション」というハッシュタグで日々、昭和レトロなマンションやビルについてポストしています。
昭和レトロな建造物の魅力は「個性的」なところ
――X(旧Twitter)をはじめたきっかけを教えていただけますでしょうか。
ROKOさん:2019年に始めたのですが、ちょうどその頃昭和レトロが流行りかけていて、Xでいろいろと検索してみたら、昔の本とか写真とか懐かしいものをアップされている方がいらっしゃって、「いいね」もすごくついていて盛り上がっているなと感じたんです。
そこで、私もちょっとレトロなものをアップしてみようと、最初は自分の昔の写真や古い本をアップしていたんです。
でも、それだと手持ちのものなのでいずれは限界が来てしまうと思って、元々好きでよく見に行っていた歴史的建造物の写真をたまにアップしていました。
そういう建築物もアップしている方が多かったので、もうちょっと自分なりに面白いものをアップしたいな、と思っていたところ、ちょうどコロナ禍になって、家の近所を散歩するしか楽しみがなくなってしまったんです。
家の周りを散歩していると、割とレトロなマンションが残ってるんだな、と気づいて、その写真をたまたまアップしたら「いいね」が結構たくさんついて、「こういうのが面白いかも」とレトロなマンションやビルの写真をアップし始めました。
――今って、昭和レトロなものを40代以上のミドル世代が「懐かしい」と感じて見ているパターンと、30代以下の若い方が「なんか新鮮」という感じで見るというパターンの両方があると思いますね。
ROKOさん:ね、若い方は「新鮮」って言いますよね。
――今の時代に建てられる建造物ってどれも都会的なイメージで、シンプルで無機質なものが多いので、昭和レトロな建物ってすごく新鮮に見えるのかなと。
ROKOさん:そうですね。ほんとに今の建物はすごくシュッとしてそれはそれでかっこいいと思うんですけれど、昔の建物って手が込んだ作りになっていて面白いですよね。
――そんな昭和レトロ建造物の見どころって、どういった部分だと思いますか。
ROKOさん:やはり「個性的」というところですね。
私は、異人館や有名な方の「旧〜邸」などのお屋敷など近代建築物を見るのが元々好きでよく行っていたのですが、そういう建物は完璧で素敵で、たとえるなら「優等生」なので、Xでアップされている方も多いです。でも、街中のレトロな建物に目を向けてみると、優等生すぎないちょっと変わった作りなど個性が強くて面白いんです。
マンションに限らず、高度経済成長期に建てられたビルや、Xでよく見るのは昔の喫茶店ですね。今まで私は、昔の喫茶店って全然目に入ってなかったんですけれど、注目してみると面白いなって思うようになり、最近はビルや昔の喫茶店なども回っています。
湊川神社横の ふるもと珈琲は、素敵なカップが並ぶ 落ち着いた喫茶店。モーニングのトーストの分厚さが凄い。ジャムもたっぷりでお腹も気分も満たされる。 pic.twitter.com/pGlq2wNDyl
— ROKO:古き良き懐かしき巡礼 (@furukiyoki_may2) May 11, 2022
――昭和レトロな建造物の「個性的」なポイントはどのあたりなのでしょうか。
ROKOさん:タイルと、窓、そして看板の文字ですね。
まずタイルですが、主にビルなんですけれども、タイルが今のものとは違って、ちょっと手作り感の漂うものだったり、カラフルで綺麗な色合いだったりと味わいがあります。
昨日歩いた場所は、壁の一部にタイルを使ったレトロなマンションが並んでいた。 pic.twitter.com/Es1YBxgdQh
— ROKO:古き良き懐かしき巡礼 (@furukiyoki_may2) July 31, 2023
次に窓ですね。窓って今の建物だと大体は四角いんですけれど、昭和レトロな建物だと角が丸い窓を使っていたり、手間暇かけたような形のものもあったりと個性が感じられます。
別に普通の窓でも良かったのに〜
— ROKO:古き良き懐かしき巡礼 (@furukiyoki_may2) August 11, 2020
と、ちょっと思ってしまう 手間隙かけた窓をもつ昭和のマンション。
昭和50年築。
#昭和の素敵なマンション pic.twitter.com/mKNndxpo8C
あと看板の文字です。看板の文字も手書き風だったり、今のように決まったフォントではなく、それぞれ個性が出ているのでとても好きですね。
昭和の素敵なマンションたちの
— ROKO:古き良き懐かしき巡礼 (@furukiyoki_may2) September 2, 2022
文字と看板が個性豊かすぎて…✨ pic.twitter.com/D0vWZU5CUF
有楽町ビルと新有楽町ビル、ニュー新橋ビルがお気に入り
――そんな素敵な昭和レトロ建造物の中で、お気に入りの建物を教えていただきたいです。
ROKOさん:東京なんですけれど、有楽町ビルと新有楽町ビルです。お隣同士で立っているビルですが、残念ながらどちらも2024年現在は閉館してしまったと思うんですけれど(※2023年に建て替えのため閉館、2024年以降に解体予定)タイルがすごく綺麗で、階段部分もすごく凝った作りになっていたんです。
そんな、建替えが決まっているビル、まずは新有楽町ビル。1967(昭和42年)
— ROKO:古き良き懐かしき巡礼 (@furukiyoki_may2) February 25, 2023
大阪マルビルのツイートでも言ったけど、50年前後で解体されるってツラいよな。全体に貼られたタイルは遠目から見ても目立つ存在。そして角の丸い窓。素晴らしいと思う。 pic.twitter.com/wWiSmq6eAI
新有楽町ビルの次は、お隣の有楽町ビル。1966年(昭和41年)
— ROKO:古き良き懐かしき巡礼 (@furukiyoki_may2) February 25, 2023
これこれ!梶原善さんのビルぶらで、とても印象的だったエントランス!陶板タイルの壁とステンレス仕上げの手摺り。実際に目にする事ができるとは思わなくて感激。また言いますが、近々閉館です。残念しかない…。 pic.twitter.com/JLva0y9FuY
あとは、ニュー新橋ビル。
新橋駅に着いたと思えば、あー!これも!
— ROKO:古き良き懐かしき巡礼 (@furukiyoki_may2) March 3, 2023
『ビルぶら』を見て「ニュー新橋ビル=フィボナッチ数列」とメモったのを思い出すw
この外壁、何やら数学的規則に基づいてるらしい。中に素敵なタイルがあるのも覚えてたのでそこだけ📸。次は喫茶カトレアで、中からフィボナッチの窓を見ながら珈琲を飲みたい! pic.twitter.com/tmNvHTwNtm
この3つがすごく好きなビルです。ニュー新橋ビルももう外観からして手が込んでいるのと、階段やエレベーターのところにすごく綺麗なタイルが貼ってあったのが印象的ですね。
――新しいビルと比べると細部がかなり凝っているのがわかりますね。
今挙げていただいたのはビルでしたが、マンションでお気に入りの建物はありますか。
ROKOさん:このマンションです。これをポストしたのは昭和レトロ建造物をポストし始めて初期の頃なんですけれど。
カラフルな日除けが最高な昭和のマンション
— ROKO:古き良き懐かしき巡礼 (@furukiyoki_may2) May 23, 2020
昭和47年築
#有名じゃないけどカッコいい建物#昭和のマンション pic.twitter.com/zbu0rBPeX8
窓の上にテントのような日よけがついているんですが、これがカラフルなんです。このマンションを偶然見つけた時はもうすっごく嬉しかったですね。意外と家の近所にあったのですが、それまでは全く知らなくて、たまたま細い路地に入って見つけたんです。見つけた時にはびっくりして感動しました。
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