今回のワールドツアーは1公演45曲・約3時間20分×152回。テイラーはランニングマシーンで走りながら大声で歌うトレーニングを続けていたそうです

写真:AP/アフロ

もはや歴史的な偉人といっても良いくらいの存在の、テイラー・スウィフト。2018年の「REPUTATION STADIUM TOUR」以来5年ぶりに来日し、「THE ERAS TOUR」の東京ドーム公演を4日間行いました。ファンの一人としてコンサートに伺いました。2015年、2018年と3回目の参加です。

日本国内だけでなく世界中からファンが集結し、5万5000席が完売という来日公演。ドームが満席なので、席にたどり着くまでの通路も身動きが取れず、危険を感じるほどの混雑ぶり。購入した座席は1階の後ろの方でしたが、運良く目の前が階段出入り口で視界が開けていたので、立ち続ける必要がなくて老体にはありがたかったです。

しかしそんな楽をして観ているのが申し訳なくなるほど、テイラーの全力のパフォーマンスは圧倒的でした。「The Eras Tour」は約3時間20分、45曲のヒット曲を歌い上げます。しかもそのハードな公演を世界中で152回も行なうというので、もはや修行の域。音楽的な才能だけでなく、魂のレベルもさらにバージョンアップしていきそうです。ちなみに「REPUTATION STADIUM TOUR」は19曲だったので2倍以上に増えています。この鬼のようなセットリストを完璧にこなすため、テイラーはランニングマシーンで走りながら大声で歌うトレーニングを続けていたそうです。公演では鍛えられ、完璧に仕上がった肉体美も披露されました。
 

息切れも声が途切れることもなく、メイクも崩れないし汗もかかない……あまりにも超人的で怖くなってきます


オンタイムで幕が開き、キラキラ輝くボディスーツをまとったテイラーが登場。「コンバンハ、トーキョー!」と叫び、歓声が巻き起こると「I'm so happy!」と嬉しそうに体を揺らしました。この自然体の感情表現で、スターと観客の距離が一気に縮まったようです。

これまでリリースした9枚のアルバムごとのパートにわかれた構成で、そのアルバムが出た時代(Era)を行き来しながら、テイラーと観客が一緒に追体験し、時空の旅をしているような楽しさがあります。『Lover』『Fearless』 『evermore』 『reputation』『Speak Now』『Red』『folklore』『1989』『Midnights』と進むにつれて、テイラーのアルバムは名盤ぞろいだと改めて実感。入り口で全員に配られた、光るリストバンドが曲に同期して一体感に包まれます。

今回のツアーはスマートフォン撮影OK。ライブレポとともになめ子さん激写のライブ写真もお届けします!

また、世界の最高峰のセットや演出も素晴らしく、毎回、別の次元にワープしているようです。気球のような大きな羽を背負ったダンサーたちと登場するノスタルジックだけれど近未来的なオープニングや、巨大な建物の中でスーツでパワフルに歌い踊ったり、花道でアコースティクギターを弾きながら歌ったり……。せり上がってくるステージは側面がモニターになっていました。ステージや花道にプロジェクションマッピングが投影され、技術の進化も体感。

 


でも、どんな派手な映像にも負けないのがテイラーのオーラ。ダンサーを従えずにテイラーたった1人で舞台に立つシーンも多かったですが、55000人を前に1人で場を持たせられるのはさすがです。

撮影/辛酸なめ子

180センチの長身、完璧なスタイル、そして頭を振ると金髪がファサッとなるなど、一挙一動が決まっていて美しく、ただ歩いているだけでもかっこいいです。捨て曲もなければ捨てカットも一瞬もたりともありません。トレーニングの甲斐あって、息切れも声が途切れることもなく、並外れた歌唱力と体力とプロ意識を見せつけました。メイクも崩れないし汗もかかない……あまりにも超人的で怖くなってきます。

 
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