意外と知らない「口臭問題」。歯科医に聞いた「歯みがきに必要な時間は3分ではなく最低5分」_img0
イラスト:Shutterstock

――歯周病対策だけでなく、歯の美白も同時にしたい場合はどうしたらいいですか?

「すでに歯周病のある人は、何よりも歯周病を治療することが先決。歯周病がない人なら、朝は美白系の歯みがき粉&マウスウォッシュを使って美白ケアを、夜は歯周病ケアの歯みがき粉&マウスウォッシュを使って歯周病予防をするのがオススメです。歯周病菌は、就寝中、口の中が乾いているときに増えやすいので、夜は歯周病ケアを優先してください」

――では、夜に歯みがきの習慣がなくて歯周病が進んでいる人は、いくら毎朝人に会う直前にしっかりみがいたとしても、口臭がある可能性が高い……!

「そういうこともあり得ますね。ただ、前回の記事でもお話したように、食後すぐの歯みがきが大切なので、夜ごはんを食べたあと歯をみがき、その後何も飲み食いしないようであれば、就寝前はマウスウォッシュだけでもOKです」
 

 


――舌みがきについてはどうですか? 「舌をみがいたほうがいい」「舌が傷つくからみがかないほうがいい」というどちらの論調も見かけます。

「舌の汚れも口臭の大きな原因です。ですが、舌苔が全くない人はいません。舌の上に薄く白や黄白色の苔があるような、生理的な範囲内ならみがく必要はありませんが、それを超えるのであればみがく必要があると考えればいいでしょう」

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「みがく目安は1日1回。柔らかめのブラシ、または舌用のブラシを使って、あまり強い力を加えずにみがいてください。その際、歯みがき粉はつけないでOK。つまり、歯みがきのあと口をゆすがずに、そのままの流れで同じブラシを使って舌までみがくというのはよくありません。また、強い力が加わると舌の表面にある味を感じる器官『味蕾(みらい)』が傷ついてしまうので注意してください。

ただ、そもそも口臭がないのに口臭を気にしている方も多いんです。確かに歯周病や舌苔は口臭の原因ではありますが、必ずしも歯周病・舌苔=口臭ではありません。舌苔の量や歯周病の炎症の程度にもよるので、まずは歯医者さんで歯周病の有無や舌苔の量を確認してもらうこと、そして口腔内に異常がなくても口臭が気になっている方は、口臭の有無の検査を受けることをオススメします。

検査は、呼気を採取して行います。口臭の原因とされる揮発性硫黄化合物の濃度を機械で測定することで、口臭の原因を調べます。口臭がある方は、その結果を知ったうえで対策を考えるのがいいと思います」