心機一転!だから「稼ぐ&自分探し」が同時にできる
一方で、給与水準は都市部に比べると少し低めになることは否めません。
「東名阪などに比べると、他の地域の給与水準はやや低め。地方の中でも、例えば九州なら一番高いのは福岡市内というのは事実です。しかし、都市から離れた地域になるほど人材不足が深刻なこともあり、近年、差はどんどんなくなってきています。特にこの2〜3年は給与も上昇傾向にあります。給与を上げないと、働く人がいませんから」(斉藤さん)
しかも、家賃などの固定費や生活費は都会に比べ安く抑えられるので、見た目の年収差ほどの違いがあるとは一概にいえません。
そして、何より「新天地に行く=新しいことにチャレンジできる」ということ。
「今までのキャリアの延長線上でお仕事を探すのももちろんいいのですが、どうせ移住するなら風呂敷を大きく広げて、いろんなことに挑戦してみたいという方もいらっしゃいます。
ちょっとワクワクするようなことを新しく始めてみたいと。
年齢や年収、経験などのバランスでキャリアチェンジの難易度もあるんですが、地方は割とチャレンジに寛容なんです」(嵩さん)
そもそも移住を考える人の中には、「40代中盤以降になったら、自分の好きなことをして生きたい!」と人も少なくありません。
今までの経験を活かした仕事もありですが、せっかく新天地に移ったのだから仕事も心機一転リセットしたい!
好きなところに住んで、好きなことをする。最高すぎます。
「例えば、キャリアチェンジを希望される人で人気のウェブデザイン。履歴書上の経歴に経験がなくても、本質的にご自身に付いている能力によっては、それも可能です。
例えば、プレゼン資料をいっぱい作っていたからこそデザイン性が高い成果物が出せる場合も。まずは派遣就業や副業からスタートして、正社員登用の可能性もあります」(嵩さん)
だからといって、伸び代は20〜30代の方があるので、誰もが思ったような仕事ができるわけではありませんよね……?
「今は定年後の再雇用もありますし、地方の方が長く働ける企業が多い印象があります。一方で、採用側が年齢を重要視するのは、一緒に働く方へ求めることとして『謙虚さ』や『柔軟性』、『協調性』『成長意欲』があるからです。年齢が高くなるにつれて失われてしまいがちなこれらの要素を、わかりやすく年齢として重要視する傾向にあるんです。
ただこれらの要素は、年齢だけではなくその人次第でもあると思いますので、内面を磨き続けることと、それを実績や経歴でアピール、表現できるようにすることが重要です」(嵩さん)
謙虚さ、柔軟性、協調性、成長意欲。これらは仕事に限らず、歳を重ねる上で、ずっと持ち続けていたいですね。
東京などの大都市の方が、仕事の選択肢がありそうなイメージですが、実は地方の方がミドル世代がチャレンジしやすい環境が整っているのかもしれません。
構成/佐野倫子
イラスト/Semo
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