今振り返ってみると、この好みの裏には、自分を否定する気持ちがあったのかなと思います。
というのも、子ども時代から年齢の割に落ち着いているとか、大人っぽいと言われてきました。また、フルメイクをすると宝塚みたいと言われたり、高身長&肉厚体型からか、迫力があるとかエレガントと言われたり。
――こういった華やかさや女っぽさみたいなものを、カジュアルテイストで消そうとしてたんです。
また、派手と言われてきたから、自分の顔=凹凸があって立体的だと思っていました。だけど実際はそうでもなかったんです。年齢を重ねて頬やフェイスラインの肉の柔らかさが際立ち(たるみやゆるみ涙)、顔の曲線感が前面に出てきました。
――これが、女っぽさとか柔らかさ、エレガントさといった、本来の印象を強め、カジュアルな服との差が大きくなっていったのだと思います。

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昨年、着付けを習って思いの外、着物が似合うことにびっくりしました。成人式のときはこんなんじゃなかった。立体感よりも丸みや面長感が増したからだと思います。

それに気づいてから美容に向き合うことにしました。メイクでは眉をきちんと描くようにしました。また、スキンケアを丁寧にしたりマッサージを取り入れたり……。すると、「今の私いいんじゃない?」と自分を受け入れられるようになったんです。
 

 


今の年齢の顔でファッションを楽しめばいい!


具体的には、ペンシルやリキッドを使って眉尻を細めに描くようにしました。眉尻をスッとさせることで、顔がきちんと見えるんです。ボヤ〜っと散漫だった顔が、バシッと決まるような感覚です。
すると、カジュアルな服も不思議なほどマッチするようになりました。長年似合わないと思って避けていた、スエットやパーカーまで着られるようになりました。

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秋冬はパーカー&ニットパンツという超カジュアル服もメイクをきちんとすることで楽しめました。
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(左)最近はほぼ眉ペンシルのみで描きあげることも。愛用しているのは、アディクションとエレガンス。ボディに重さがあるのでブレずに描きやすいんです。オサジは芯が柔らかくて色がよく乗るので、時間をかけず眉メイクしたいときに。(右)自分に合う眉の形を探る時におすすめなのが、ペンシルコンシーラー。毛をカットする代わりにこれで毛を消してみるのも◎。10年もののアナスタシアと、フジコのものを使ってます。


そして、年を重ねてこそ美容が面白い――そんなことにも気づきました。20年かかってやっと、美容編集者でよかったと思う今日この頃です。
 

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