今振り返ってみると、この好みの裏には、自分を否定する気持ちがあったのかなと思います。
というのも、子ども時代から年齢の割に落ち着いているとか、大人っぽいと言われてきました。また、フルメイクをすると宝塚みたいと言われたり、高身長&肉厚体型からか、迫力があるとかエレガントと言われたり。
――こういった華やかさや女っぽさみたいなものを、カジュアルテイストで消そうとしてたんです。
また、派手と言われてきたから、自分の顔=凹凸があって立体的だと思っていました。だけど実際はそうでもなかったんです。年齢を重ねて頬やフェイスラインの肉の柔らかさが際立ち(たるみやゆるみ涙)、顔の曲線感が前面に出てきました。
――これが、女っぽさとか柔らかさ、エレガントさといった、本来の印象を強め、カジュアルな服との差が大きくなっていったのだと思います。
それに気づいてから美容に向き合うことにしました。メイクでは眉をきちんと描くようにしました。また、スキンケアを丁寧にしたりマッサージを取り入れたり……。すると、「今の私いいんじゃない?」と自分を受け入れられるようになったんです。
今の年齢の顔でファッションを楽しめばいい!
具体的には、ペンシルやリキッドを使って眉尻を細めに描くようにしました。眉尻をスッとさせることで、顔がきちんと見えるんです。ボヤ〜っと散漫だった顔が、バシッと決まるような感覚です。
すると、カジュアルな服も不思議なほどマッチするようになりました。長年似合わないと思って避けていた、スエットやパーカーまで着られるようになりました。
そして、年を重ねてこそ美容が面白い――そんなことにも気づきました。20年かかってやっと、美容編集者でよかったと思う今日この頃です。
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