本誌でも大人気連載中の西洋占星術研究家・鏡リュウジさんと鏡さんと旧知の間柄で、「当たりすぎて怖い!」と的中率の高さで毎年話題を呼ぶ占術研究家・水晶玉子さんの豪華対談が実現しました。全2回に渡って、2024年夏から秋にかけて、私たちを取り巻く運気の波をどう捉えられているのか、お話をお伺いしました。
ーー水晶さんと鏡さんは、お互いの占術をベースに、トレンド予想や世界情勢、個人が抱く感情のムードなどを対談を通して発信されていらっしゃいます。2024年下半期でいちばん注目されている星の動きを教えてください。
双子座の特徴は「一挙両得というより、選ばなかったものを捨て続ける」
水晶玉子(以下、水晶) 今回の対談、とても楽しみにしていました。(運気を占う上で重要な幸運の星・木星が入っている)「双子座」について、鏡さんとお話したいことがあったんです!
鏡リュウジ(以下、鏡) 僕も玉子さんのよく当たる“予言”はチェックしているので、お話ができるのを楽しみにしていました。
水晶 ありがとうございます。ここ最近の占星術の動きで一番の注目点は、やはり5月26日に幸運の星・木星が、双子座に入ったことだと思います。私、その日、鏡さんのXのポストを読んですごく腑に落ちたことがあったんです。双子座の前身である、ギリシャ神話のカストルとポルックスの話で……。
鏡 あのポスト、実はプチバズったんですよ(笑)。ギリシャ神話では、双子座の前身はカストルとポルックスで、一方は死の運命を免れない人間、もう一方は不死の存在です。そっくりだけど対照的なふたりには、「自分の中には、生きられなかったもう一人の自分がいる」という意味がある。人は、常にさまざまな人生の選択をし続けていますが、それは、そのたびに生きられなかったもう一人の自分が生み出されているということです。
水晶 私の「オリエンタル占星術」は東洋に伝わった占星術なので、実は西洋の星座にも対応しているんです。双子座に属するのが“嵐の宿”と言われる参宿で、古いものを壊して穢れを嵐で浄化するという、激しく破壊的な性質を持ちます。双子座は知的で軽やか、コミュニケーションの星座なので、激しい参宿に双子座はそぐわない気がしていたのですが、鏡さんのポストを読んでなるほどと理解が深まりました。双子座の特徴には、どちらかを選ばなくてはいけない状況と、選ばなかったほうを壊して次に行くという動きがある。そんな激しい一面もあったのかと、双子座の解釈が広がりました。
鏡 そういう解釈の仕方もあるかもしれませんね。僕は、双子座が木星に入っている1年間は、どの星座の人も生きられなかった“もう一人の自分”に想いを馳せてみるのもいいのでは、と思う。急にこれまで選んでこなかったほうの自分にはなれないけど、人生経験を積んできたミモレ世代なら、こだわりなくいい距離感で、もうひとりの自分を楽しめると思うから。子どもの頃の双子は競争しちゃうけど、大人になるときょうだい喧嘩も減って仲良くなる、みたいな感じでね(笑)。
水晶 そうですね。「もし今とは違う道を選んでいたら…」と考えると、選んできた今の自分を見つめ直すことにもつながります。私も、選ばなかったもう一人の自分を思って、何か楽しんでみようかな(笑)。
鏡 占い師以外の玉子先生か……、想像つかないなぁ(笑)。
水晶 私だって、やってみたかったことはいろいろあったんですよ(笑)。
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