塩分を使わない野菜スープで、血圧が正常値に

がんの発生には活性酸素が密接にかかわっており、野菜などの持つファイトケミカルには活性酸素を抑制する効果が期待できるというのです。がんや生活習慣病の予防に効果があり、免疫力を高めて病気への抵抗力がつくということでしたので、高血圧にも効くのではないかと期待して、実践することにしました。作り方はいたって簡単です。

5〜6種類の野菜を刻んで水を加え、30分ほど弱火でコトコト煮るだけ。塩などの調味料は一切使いません。最初は物足りなく感じましたが、慣れてくると、野菜から溶け出したコクと旨みがおいしく、野菜のほのかな甘みも味わい深く感じられるようになり、無理なく続けられています。

高齢期の不調には「筋トレ」と「野菜スープ」で対抗!81歳の現役医師が、70代からはじめた健康習慣を紹介_img0
天野さんが日常的に飲んでいる、調味料不使用の野菜スープ(撮影/岡田ナツ子)

肝心の効果はというと、しばらく飲み続けてみたところ、血圧は見事に正常値になりました。複数の野菜から溶け出たファイトケミカルによる抗酸化作用はもちろん、塩分を使わないスープを飲み続けることによって、味覚が薄味に変わり、食事全体から摂取する塩分がへって自然に減塩ができたのでしょう。

おいしくて手軽に作れ、効果もあるので続けやすく、毎日、欠かさず飲んでいます。あきない工夫として、基本の野菜スープをベースに、ときどき牛乳を加えてミルクスープのようにしたり、りんごを加えて甘みを出したりしてアレンジすることもあります。また、鶏肉などたんぱく質を加えたりしてもいいでしょう。

一度にたくさん作って冷蔵庫で保存し、2〜3日で飲み切るようにしています。これからもずっと続けていきたい習慣です。
 

 
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『81歳、現役女医の転ばぬ先の知恵』
著者:天野惠子 世界文化社 1760円(税込)

女性専用の診療科目・女性外来の設立に貢献した、女性医療のパイオニアである天野医師が、様々な不調に苦しんだ50代の更年期障害を振り返りつつ、70代から始めた高齢期を乗り切るための健康法を紹介します。加えて、81歳の現在も診療に精力的に取り組むパワーの原動力と思考のコツも伝授。高齢化社会を明るく健康に生き抜くためのヒントおよび心の支えとして、手元に置いておきたい一冊です。


構成/さくま健太
 

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