こんにちは、エディターの昼田です。
ひと仕事終えた木曜日、家族で焼き鳥屋に。こう暑いとやっぱり飲みたくなりますよね(笑)。今日も亡くなった父のことを書きます。私の頭のなかで今も鳴り響く、父と最後に交わした言葉のことをーー

好きだと数を増やそうとしてしまう。服を1000枚捨てたから言えた、父との最期の会話【エディター昼田祥子】_img0
 

父は誰に聞いても、どこを切り取っても「優しくていい人」でした。物腰が柔らかく、ときどきチャーミングで、バカを言いながらも誰をも傷つけない人。地域の活動に積極的に参加しようとするのは、私が小さい頃からずっと変わらず。小学生のときには私が所属するフットボールチームの監督をつとめ、高校で私が野球部のマネージャーだったときは、試合を見にきては誰にも頼まれていないのにレポート新聞を作ってしまうような人でした。元編集者の父は、細かいことが得意でサービス精神も多め。親子で共有した思い出も多く、私にとって父は一番の理解者でしたし、気質が似てるんですよ。帰省すれば二人でよくお茶しに行っていました。父はもっぱら聞く専門でしたけどね。

好きだと数を増やそうとしてしまう。服を1000枚捨てたから言えた、父との最期の会話【エディター昼田祥子】_img1
2019年頃の、父と娘。

こうやって書いてみて、改めて思った。
父は、人と関わるのがすごく好きだったのだ。
あとで聞いた話ですが、父はボランティアの仕事を押し付けられたわけではなく、自ら立候補していたのだそう。

亡くなる前日。一時退院を許可され、実は絶対安静だったことを家族に知らせず、動き回った父。散髪に行くのは分かるけれど、コピー機を買いに行き、植木屋さんに行き、携帯ショップに行き、近所の人に届けものをしに行き、今度の催しの案内を作り……

ねぇ電話すればよくない? アマゾンでよくない? わざわざ出向く必要ある? 

私を苛立たせたのはもう一つ。一ヶ月の入院で父は明らかに能力が後退していました。寝たきり、しかも誰とも話せない個室。そんな環境にいれば衰えるのも仕方ないのかもしれません。認識があやふやで何を聞いても返答までに時間がかかる。”しっかり者だった父”が、わずか一ヶ月で”頼りない父”になってしまっていました。

好きだと数を増やそうとしてしまう。服を1000枚捨てたから言えた、父との最期の会話【エディター昼田祥子】_img2
元気な頃の父の畑は立派だった。

夕食で思わずぶつけた私の怒り。

「お父さんが今日一日やったこと、無駄なことが多すぎる。病人なんじゃけ、いちいち行かんでええじゃろ?」

場が緊迫したときほど、話し方でムードを変えようとするのが父のやり方。えへへと笑いながら
「お父さんな、こう見えても社交的なんだよ〜、みんなと話すのが好きなんじゃ」

病気が悪化しても何一つ手放さなかったボランティアの仕事。好きなのはわかるんですよ。でも、年齢を考えろって話。間髪入れずに言い返していました。

「はぁ? 何言うとるん? そうやって人は好きだと数を広げようとする。私もそうだった。服が好きでいっぱい買って1000枚も溜め込んだ。だけど捨てて、本当は数枚で満足できる自分だったんだってことに気がついた。お父さんだってそうよ、好きだとどんどん広げようとする。でも、本当は7つの仕事がなくても3つくらいでも十分に満足できる自分かもしれんのよ」

「そうか、そんな考えをしたことがなかったな」と父。

好きだと数を増やそうとしてしまう。服を1000枚捨てたから言えた、父との最期の会話【エディター昼田祥子】_img3
この時の父は、ちょうど今の私くらい。左が私、右が3才上の姉。

今も頭を反芻する父との会話。40代の私は、やりたいことがいっぱいある。好きだとつい数を広げようとしてしまう。もっともっとと思ってしまう。父に言ったセリフは、自分に言いたいことでもあります。広げていいのは何歳までと決めないと。

広げすぎた父、捨てられなかった父は、あのまま服を溜め込んだ私が辿り着く未来の姿だっただろうと思います。

お父さん、見せてくれてありがとう。
私は、これからも捨てられる自分であり続けるよ。
 

 


オオツカ・プラスワン会員特別セミナー動画
「あなたの可能性がどんどん広がる、服や物の“手放し方”講座」出演者募集

 

〇収録日時:7月25日(木)12時〜17時頃

〇収録場所:講談社(東京都文京区音羽2−12−21/有楽町線護国寺駅直結)

〇出演:昼田祥子さん、梅田陽子さん(司会進行)

〇募集人数:2名

〇所要時間:上記時間内で、お一人につき2〜3時間程度(予定)

〇応募条件:
・7月25日(木)に講談社にお越しいただける方
・応募時に、「片付けられないもの」「捨てられないもの」の写真を最低1点添付し、その写真を動画内でも投影可能な方(ご相談のうえ、写真の一部にぼかしをいれることなども可能です)

〇応募〆切:
・7月15日(月)23:59

〇ご応募いただいた方々のお悩みをもとに編集部内で審査を行い、ご出演いただける方を決定いたします。

〇撮影した動画は、8月末より期間限定(1〜2ヵ月程度)で、大塚製薬のECサイト、定期購入会員さま向けに限定公開されます。mi-mollet内やmi-molletのYouTubeでは公開いたしません。あらかじめご了承ください。

〇動画にご出演いただく方には、遅くとも7月17日(水)21時までにメールにてご連絡いたします。

〇謝礼として5000円(交通費込み)をお支払いいたします。

〇当日の様子は、mi-molletのサイトや各種SNSなどに掲載させていただく場合がございます。

〇収録日の滞在時間についてご要望がありましたら、アンケートのご質問の欄にご記入ください。

 


 INFORMATION 
昼田祥子さんにシャツの着こなしを教わりたい方、大募集!


シャツがうまく着こなせない、なんだか着こなしが決まらないという方、昼田さんがシャツの着こなしテクニックを直接伝授します。

▪買い足すよりも、着映えするテクニックをひとつ
▪ずっと着られるシャツよりも、ずっと使えるテクニックをひとつ
▪あか抜けるのに大ワザは必要なし
▪シャツが似合う人ではなく、シャツを着こなせる人になるetc..


昼田さんに学ぶシャツの着こなし企画にご参加ご希望の方は、下記のフォームよりご応募ください。撮影の模様はミモレの記事にさせていただきます。

・募集人数:若干名
・東京近郊にお住まいの方
・顔出し撮影&記事掲載がOKの方
・8月上旬、都内にて撮影がOKの方(日程はご相談の上、決めさせていただきます)
・撮影前のお打ち合わせ(オンライン)にご参加可能な方


応募締め切り:7月18日(木)23:59まで

・応募にはmi-mollet(ミモレ)の会員登録(無料)が必要です。

 


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「捨てられない私」は今日で卒業!服を捨てて一歩踏み出そう!

■日時:2024年7月27日(土)10:30~12:00
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※詳しくは「オンライン講座受講前の準備」ページをご覧ください

【参考書籍】「1000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話」(講談社)1540円 
※サイン本あり/なしの2種類のコースから選べます。
※サイン本をご希望の方は「サイン本あり」のコースでお申込みください。ご自宅にお送りします(サイン本の申込みは7月10日(水)まで/送料なし)。


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好きだと数を増やそうとしてしまう。服を1000枚捨てたから言えた、父との最期の会話【エディター昼田祥子】_img4
 

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『1000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話』

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1000枚の服を溜め込んだファッション雑誌編集者の人生を変えた「服捨て」体験と、誰でもできるその方法を伝えます。 


着用・文/昼田祥子
構成/出原杏子
 
 
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