短時間勤務できるのは小3の年度末まで。
しかし重度の知的障がいを伴う重い自閉症の娘は、小4になっても一人で通学できるわけではなく、毎日の送迎が必要であり、短時間勤務を継続できなければ、会社を辞めるしかない……。
労務担当役員を囲むワークライフバランス懇談会に参加した翌日、絶望的な気持ちを抱えて仕事をしていると、労務部長から「工藤さん、お話を聞かせてください」という1通のメールが届きました。
「何だろう」と、緊張しながらも、すぐに面談を申し込む返信を出しました。
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「障がい児及び医療的ケア児を育てる親の会」という団体をご存じでしょうか? この会では、障がい児や医療的ケア児を育てながら働き続けたい親たちが、ゆるやかにつながり、支え合っています。
障がい児や、医療的ケア児を育てながら働こうとする親の前には、両立を続けるためのハードルが幾重にも立ちはだかっています。子どもや家族の暮らしを守るため、この団体は行政や勤め先への働きかけを続けています。ケアの必要な子を育てている親も働き続けることができるよう、育児・介護支援制度を子の年齢で区切らず、障がいや疾患の状態に応じて配慮してもらえるよう、社会を変えようとしているのです。
この会の会長であり、朝日新聞社に勤めながら、重度の知的障がいを伴う重い自閉症の16歳の娘さんを育てていらっしゃる工藤さほさんへのインタビュー、第14回です。
「これで仕事を続けられる…」障がい児・医療的ケア児を育てる親たちを救う「改正育児・介護休業法」、その重要な改正ポイントとは?【障がい児を育てながら働く⑬】
—— ワークライフバランス懇談会で担当役員に「個別の案件には対応できないんだよね」と言われ、絶望的な気持ちになっていたところに、労務部長からのメールが届いたんですね。
数日後、指定された会議室に赴くと、温厚で穏やかな表情の労務部長が部屋に招き入れてくださいました。
子どもが小学3年までしか短時間勤務が認められていない会社の現状。自宅から特別支援学校まで小一時間かかるが、娘はラッシュアワーの電車に乗れず、自力では登下校できないこと。その娘の付き添いのため、私は小学4年以降も短時間勤務でしか働くことができない事情を説明しました。
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