「すでにさんざん会社のお世話になり、短時間勤務で夜勤や祝日出勤も免除していただきながら、働かせていただいていること。それでもなお、娘が小学4年生となる来春以降も短時間勤務を継続できないと、失業の危機にあること……。ワークライフバランス懇談会で、労務担当役員に必死に訴えかけました」
 

 


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「障がい児及び医療的ケア児を育てる親の会」という団体をご存じでしょうか? この会では、障がい児や医療的ケア児を育てながら、働き続けたい親たちが、ゆるやかにつながり、支え合っています。

障がい児や、医療的ケア児を育てながら働こうとする親の前には、両立を続けるためのハードルが幾重にも立ちはだかっています。子どもや家族の暮らしを守るため、この団体は行政や勤め先への働きかけを続けています。ケアの必要な子を育てている親も働き続けることができるよう、育児・介護支援制度を子の年齢で区切らず、障がいや疾患の状態に応じて配慮してもらえるよう、社会を変えようとしているのです。

この会の会長であり、朝日新聞社に勤めながら、重度の知的障がいを伴う重い自閉症の16歳の娘さんを育てていらっしゃる工藤さほさんへのインタビュー、第12回です。

第11回はこちら>>>​【障がい児を育てながら働く⑪】多動だった娘が「1人で眠り、宿泊行事に参加する」ほどにまで…小学校の6年間で感じた、めざましい成長
 

—— 上の娘さんが4歳になる年の4月に職場復職されたのですね。

2012年春、長女が保育園の年中(4歳児クラス)に入るタイミングで「短時間勤務制度」を利用して復職しました。2歳差の長女、次女の産休・育休を連続して取得していたため、4年半ぶりの職場復帰でした。

長女が3歳になって、空きが出た療育施設に母子で1年間毎日通うことでようやく母子分離ができ、保育園に通わせることができるようになったのです。

復職について詳しい記事はこちら>>>【障がい児を育てながら働く⑥】4歳でようやく保育園へ。朝は療育施設、午後から保育園へ通う日々も綱渡りは続き...