8年前だったら、服が好き、仕事が好き、何かを表現しているのが好き、寝るのが好き、とまぁ、自分への認識はこんなざっくりしたレベルでした。それでいて自分のことは自分が一番分かっている、とも思っていました。なんて薄っぺらい自己理解だったのか(笑)。
あの頃の私はもういません。
LOGで見つけた光と影。両方あっていいし、両方あるから美しい。見て見ぬふりをしてきた自分の闇も光も、どちらも見つめた服捨てでした。
料理家・細川亜衣さん監修のディナーや朝食がいただけるのもLOGの魅力。知っているのに、知らない味。こんなにも美味しいホットケーキがあるのだと感動しました。盛り付けはシンプル。だけどシンプルは手抜きじゃない。ここ数年、私の格好もシンプルに徹していますが服に対しても同じことを感じています。シンプルとは、引く勇気と挑戦。素材(自分)と向き合う覚悟がないとできないことだなと思います。
変わりゆく街と、変わりゆく自分を肯定できたひとり旅でした。
2年にわたりお届けしてきたこの連載は、いよいよ次回が最終回です。
<新刊紹介>
『1000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話』
著・昼田祥子
¥1540(税込)
講談社
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「朝日新聞」「CLASSY.」「リンネル」「日経WOMAN」など、各メディアで話題! たちまち7刷の話題作。
クローゼットに収納術はいりません。
「クローゼット=本当の自分」にできれば、勝手に整うものだから。
ただ、自分の心地よさに従うこと。
本来の自分を生きるという覚悟を決めること。
捨てられずに人生を詰まらせているものに向き合い、手放していけたとき、人生はすごい速さで自分でも思いがけない方向に進んでいきます。
1000枚の服を溜め込んだファッション雑誌編集者の人生を変えた「服捨て」体験と、誰でもできるその方法を伝えます。
着用・文/昼田祥子
構成/出原杏子
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