ロックダウンをきっかけにインスタグラムで”フランスでやめたこと”をテーマに発信をしはじめたところ、フォロワーが急増! 一気に話題になったフランス・リヨン在住のデジタルクリエイター・ロッコさん。私、昼田となんの繋がりが?と思った方も多いでしょう。
私たちは”手放し仲間”(笑)。実はひそかに交流を深めている仲なのです。ロッコさんの1冊目の著書である『フランスでやめた100のこと』(大和出版)を読み、うんうん、と私もうなづくことばかり。日本に帰国されたらぜひお会いしたいですね! と話していたら、ついにこの夏実現しました。
昼田「小さいお子さん(昨年第三子を出産)がいらっしゃるなか、この本を2ヵ月で書いたなんてすごいです。私の本は主には書いた原稿をまとめるだけなのに1ヵ月以上寝かして、逃げちゃったりして(笑)。苦しかったなと思いますね」
ロッコ「出版は妊娠・出産とすごく似てるなと思うんですけどどう思います? 書いてるときはすごくつらいことがたくさんあるんですけど、でも出たときの感動がすごく出産に近いものがあるので、自分の子みたいな。そういうありません?」
昼田「わかりますよ。本になったときの感動ひとしお、みたいなね。このテーマは書きやすい、書きづらかったというのもあったんですか?」
ロッコ「ありました。習慣や身の回りのことはけっこう書きやすいんですけど、自分のアイデンティティに関するテーマは内容が深いので、難しかったですね」
昼田「『こだわりを持って生きる』というテーマのところ、とてもよかったです。印象的だったのが、”私のスタイルじゃないけどね!”という言葉。かっこいいなぁ、私もちょっと使ってみようかな(笑)」
ロッコ「否定はしないんですよね。でも自分のじゃないみたいなものが分かっているってすごいなと思います。それはファッションだけでなく、子育てや家のことだったり会話に共通している部分。『そういうこともあるのね、でも、私はこうだからやらない』と自然と言えるのは、多分いろんな国籍の人が共存している国だからっていうのもあると思います」
昼田「この本に載っている方はみんな素敵に見える。フランス人ってどうして自信があるように見えるんですかね?」
ロッコ「自信ありますよね。でもそれはやっぱり小さい頃から自分の意見っていうのを聞かれ続けて言い続けてるからだと思います。ただ自分の意見を言うことにすごく慣れてるっていう。それが普通。もう何度も何度も言っていたら、自分の意見って挨拶みたいに出てくるんですよね」
昼田「自分の意見を口に出すことで、自分らしさが分かってくることもありますよね」
ロッコ「そう、だから私がやっている音声配信『voicy』では、まずはアウトプットするためにコメント欄を使ってくださいね、とお伝えしているんですよ」
昼田「自分とは違う意見を言われたとき、フランス人はどういう反応するんです? 日本だとムッとされちゃうこともありそうですが、あっそうって感じなのかしら?」
ロッコ「そう、人格を否定されているっていうのがないし、違うのが普通。そういうふうにできるといいんですけど、国民性もあるし、日本のいい部分でもありますからね」
昼田「”ブランドのバッグ? 20年後なら欲しくなるかもね!”という言葉も印象的でした」
ロッコ「自分は変化しているっていうことを知っていて、さっき言ったみたいに、すごく素敵だけど、今の自分にはフィットしない。それは別に経済的にとか、何かブランドがどうとかそういうのではなく、自分はこういうものが好きっていうのがわかっている。だから今は私には必要ないよって」
昼田「いつだって自分が主役になって選んでる感覚があるんですね」
ロッコ「ありますね。選んでいるのは暮らしのことだけでなく、最近ベジタリアンの若者がものすごく多いんですが、それはヘルシーだからではなく、環境などもうちょっと広範囲で考えている若者が多いです。単純な好き嫌いだけでなく、自分の信念や思想があってその選択をしているっていう」
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