なぜ両親を頼れなかったのか? それは、彼らが現実から目を背けてしまったからにほかなりません。弟の障害について理解しようとしない父親は、教育や医療の効果を強く否定し、挙句の果てには障害を悪霊のせいにしてしまいます。母親もその主張に激しく同意。その結果、両親が選択したのが……
カルト宗教への入信でした。その宗教に深くのめり込んでいった両親は、小学生になった葵さんにも教義の勉強や修行を押しつけます。そのことで小学校を休みがちになりなった彼女は、クラスから孤立し、差別の対象になってしまうのでした。
そんなある日のこと、ある霊媒師が発した言葉がきっかけで母親の過去の不貞が発覚。そのことに激高した父親は、家中のものを破壊し、家族に対して暴力をふるうようになります。
父親の暴力に耐えかねた母親は、ついにオーバードーズ(薬の過剰摂取)による自殺を図ります。このときは未遂に終わりますが、以降、母親はオーバードーズと家出を繰り返すように。それが負のループの始まりでした。
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