「こんなことをしている暇なんてないのに」

ここ1年くらい毎朝・毎晩、鏡の前に立つたびに、そんな思いが胸にこみあげてきます。

会社ではやりがいのある仕事を任せてもらい、趣味の読書からつながったライター・コラムニストとしての活動もありがたいことに順調。「もっとやりたい」「まだ頑張れる」自分をせきたてるそんな思いが疾走していく中で、どんどん優先順位が下がっていったのが、美容やケアでした。

同居している夫を見ていると、朝も夜も5分もかからず身支度が完了。顔を洗って歯磨きして、ひげを整えたらもう終わり。その身軽さに「男性の自由」を強烈に感じてしまい、自分が女性であることを呪いたくなるような気持ちになってしまうこともあります。

どうして、美容“なんてもの”に大切な時間を使わないといけないんだろう。

そんな殺伐とした気持ちから、ケアもメイクも極限までショートカット。そしてそれで満足できれば話は早いのですが、年齢を重ねていることや忙しさのあまり乱れた生活の影響か、ふと鏡を見たとき、外で美しい人を見かけたとき、自分のみすぼらしい姿にどんどん心がすさんでいく悪循環に陥っていました。

「朝のメイク時間が憂鬱...」追い詰められた私の心にも届いた、MEGUMIさんからのメッセージ_img0
『心に効く美容』(MEGUMI/講談社)

MEGUMIさんが美容系の発信をはじめたことは、SNS等でなんとなく目にしていました。でも、美容アンテナがまったく立っていない私は内容をちゃんと見ようともせず、「別の世界の話」とシャットダウン。「美容に時間をつかえる、余裕のある人はいいですね」なんて、ひねくれた思いでそれを遠目に眺めていたというのが正直なところです。

 


しかしいつもお世話になっているミモレから書籍が出ることを知ったとき、「ミモレが切り取るMEGUMIさんってどんな感じなんだろう」と興味がわきました。


書籍を取り寄せて読み始めたところ、いきなり目に飛び込んできたのは「心に効くのは外側からのアプローチ」という言葉。

生きていると、大小問わず本当にいろいろな悩みがあります。落ち込んだときは「このまま何もしたくない」という気持ちに支配されがちですが、そんなときこそ、心の外側からのアプローチで自分を優しく包んであげてみて下さい。――『心に効く美容』より

「心のケアとしての美容」というのはもはやありふれたフレーズですが、心の問題を心の中だけで解決しようともがくのではなく、外側からアプローチするのが効くんだよというMEGUMIさんのシンプルなメッセージが、自家中毒のようになっていた私にストレートに響きました。

 
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