葬式で分かる「本当の人間関係」


喪主(兄)の妹という立場になって、初めて分かったことがあります。
それは、葬式のときに「本当の人間関係」が分かる、ということ。
家族葬&1日葬だったのですが、父の親友だった人には、最後までいて欲しいなぁと思っていたら、忙しい中、最後まで参加してくださりました。
しかも香典だけではなく、お花まで送って下さり、おかげですごく華やかな会場になったんです。「本当に仲が良かったんだなぁ」と、しみじみうれしく感じました。

一方、父がずっとサポートしていたにも関わらず、亡くなった途端に手の平を返す人もいました。その人は、葬儀を邪魔しようとしてきたのです(※未然に防ぎましたが)。
「こんなひどい人って、本当に存在するんだ?」と、正直、驚きました。

実は、葬儀前にも、これに似た意外なことがありました。父と兄は男同士ということもあり、結構、ドライな関係に見えていたのですが、検案のとき、父の亡骸を見て、兄が大粒の涙を流したのです。父のことを本当に愛していたのだと感じました。

人それぞれ死生観は異なり、私自身は無宗教ではありますが、「肉体が死んでも、魂は永遠」だと思っているので、これらの様子を父は見ているのだと感じました。
父は、自分が死んだことで、「本当に信じるべき相手とそうでない相手は、誰だったのか。また、自分は本当に家族から愛されていたこと」をより理解できたのだと思います。
人は亡くなったら、こういう「いいこと、悪いこと」もすべて見て、受け入れた上で、この世界を卒業していくのでしょうね。

 


ピンピンコロリは、いいことばかりではない


ピンピンコロリは、理想的だと思っている人は多くいますが、もちろんいいことばかりではありません。
なぜなら、残された人間の「心がついていかない」からです。
よく癌で亡くなる場合は、闘病中にお別れの準備ができる、と言われます。それがいいかどうかはさておき、突然いなくなられてしまうと、「もっと話したいことがあった」「もっとやってあげたいことがあった」という後悔は少なからずあります。

もちろん死んだ父だって、同じ思いでしょう。まさか自分がこのタイミングで死ぬとは思っていないから、後回しにしていたことも色々とあるでしょうしね。
ピンピンコロリは、闘病生活がない分、本人も周りの人間も楽なところはありますが、突然の死別を受け入れるのには、少し時間が必要となりそうです。

色々な心残りはありますが、「死んだときが寿命だった」と思うしかありません。
私は毎日のように父の写真に向かって、「ちゃんと成仏するように!」と言い聞かせているところです……。

父が自宅で急逝。ピンピンコロリのデメリットとは?_img0
 

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