凡庸な能力の人ほど「掛け算」で伸ばす!

凡庸な人ほど「二刀流」を目指そう! AIに仕事を奪われないための、これからの生存戦略_img0
 

大谷翔平選手が二刀流にこだわる理由について、私は勝手に、彼がそこに相乗効果を見いだしているのだと思っています。「打者でも投手でも通用することを証明したい」などという陳腐なものではなく、「打者と投手の両方をやっているからこそ、どちらも伸びているのだ」と彼自身が確信しているのではないか、と。

実は、こうした感覚こそ、新しい時代を生き抜く重要なカギだと私は考えています。
 

 


これまで、人の努力は「足し算」で増えていく時代でした。1か月に10の努力をした人は、2か月後には20の、3か月後には30の実を得てきました。

たとえば職人は、こうしてコツコツと技術を磨いてきたわけです。しかし、これからは、一つのやり方にこだわらず、一つの職業にこだわらず、一つの立場にこだわらず、いくつもの選択肢を生かしながら、「掛け算」で結果を増やしていくことを考える時代です。

1か月に10の努力をした場合、掛け算ならば2か月後には100になります。言ってみればレバレッジをかけられるわけです。

今後、そういう掛け算の働き方をする人たちが多く出てくるはずで、その中で職人気質の足し算にこだわっていれば、どんどん引き離されてしまいます。だから、掛け算はむしろ、大谷選手のような天才ではなく、凡庸な人ほどやっていかねばなりません。

最初から“全体の1パーセント”に入れるような天才の逸材なら、足し算だけでも相当な成果は出せるでしょう。でも、“99パーセント”の凡人の中にいる場合、そこで上のほうに行こうと思ったら、選択肢をたくさん持ち、掛け算で自分を伸ばしていくことが必要です。