10月11日〜12日の日程で、佐賀県で開催される国民スポーツ大会を観戦されている愛子さま。こちらが、お一人での初の地方でのご公務になります。12日は午前中に競技をご覧になったあと、午後には佐賀県赤十字血液センターなどを視察されるご予定です。

この春に大学を卒業され、2024年春から日本赤十字社に嘱託職員として勤務されている愛子さまは、災害福祉やボランティア活動への熱い想いをお持ちです。そこで、愛子さまのボランティアへの想いと、日本赤十字社と皇室とのかかわりを振り返ってみましょう。

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2024年9月、那須御用邸でのご静養の様子。ご家族そろってやさしい色合いでコーディネートされ、息もピッタリ。笑顔がすてきです。写真/JMPA


 

 


日本赤十字社でボランティア育成や研修の活動を


愛子さまは、学習院大学を卒業後、今年4月から日本赤十字社の嘱託職員として勤務されています。

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颯爽とお歩きになる愛子さま。撮影/JMPA

所属されているのは、「事業局パートナーシップ推進部 ボランティア活動推進室 青少年・ボランティア課」。愛子さまはこの部署で、若手のボランティアグループや、日本赤十字社で活動する個人のボランティアなどの育成や研修などを行っていらっしゃいます。ご公務との両立をはかりつつ、たいへん熱心に仕事に取り組まれているといいます。

日本赤十字社にご入社された際に、愛子さまは宮内記者会からの質問に文書で回答を寄せられました。その中で、愛子さまは大学卒業後の進路に日本赤十字社を選ばれた理由を、このように述べられています。

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写真/宮内庁


私は、天皇皇后両陛下や上皇上皇后両陛下を始め、皇室の皆様が、国民に寄り添われながら御公務に取り組んでいらっしゃるお姿をこれまでおそばで拝見しながら、皇室の役目の基本は「国民と苦楽を共にしながら務めを果たす」ことであり、それはすなわち「困難な道を歩まれている方々に心を寄せる」ことでもあると認識するに至りました。

そのような中で、ボランティア活動を始め、福祉活動全般に徐々に興味を抱くようになりました。特にボランティア活動に関心を持つようになったのは、一昨年の成年を迎えての会見でも述べましたように、災害の被災地に赴き、厳しい環境の中でも懸命に活動を続けるボランティアの方々の姿をニュースなどで目にして胸を打たれたことや、中学・高校時代からの親しい友人が、東日本大震災の復興支援にボランティアとして携わってきており、その友人から活動の様子などを聞いたことなどが大きなきっかけとなったように思います。

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写真/宮内庁

大学では福祉に関する授業を履修し、福祉活動への関心が増す中で、公務以外でも、さまざまな困難を抱えている方の力になれる仕事ができればと考えるようになり、大学卒業後は社会に出て、福祉関係の仕事に就きたいという思いを抱くようになりました。
 

 

愛子さまから、日本赤十字社へのご就職を相談された天皇陛下と雅子さまは、「社会のお役に立てるとてもよいお仕事なのではないか」とおっしゃって、背中を押されたのです。


入社を希望されるにあたり愛子さまは、「関東大震災から100年の節目に日本赤十字社本社で開催された企画展を見たことが大きかった」とおっしゃっています。関東大震災のころから福祉活動に取り組んできた日本赤十字社は、実は皇室と深いかかわりがありました。

日本赤十字社の設立に大きな影響を与えたのは、明治天皇の妃である昭憲皇太后だったのです。

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参考文献/『天皇家の姫君たち 明治から平成・女性皇族の素顔』(渡辺みどり著、文春文庫)、宮内庁ホームページ、日本赤十字社ホームページ


高木香織(たかぎ・かおり)
出版社勤務を経て編集・文筆業。皇室や王室の本を多く手掛ける。書籍の編集・編集協力に『美智子さま マナーとお言葉の流儀』『美智子さまから眞子さま佳子さまへ プリンセスの育て方』(ともにこう書房)、『美智子さまに学ぶエレガンス』(学研プラス)、『美智子さま あの日あのとき』、『日めくり31日カレンダー 永遠に伝えたい美智子さまのお心』『ローマ法王の言葉』(すべて講談社)、『美智子さま いのちの旅―未来へー』(講談社ビーシー/講談社)など。著書に『後期高齢者医療がよくわかる』(共著/リヨン社)、『ママが守る! 家庭の新型インフルエンザ対策』(講談社)。

キャプションは過去の資料をあたり、敬称・名称・地名・施設名・大会名・催し物名など、その当時のものを使用しています。
 

バナー写真/JMPA
構成・文/高木香織
編集/立原由華里


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