風向きの変化


それからは、少しずつですが、自己主張をする方向にエネルギーを転換することができたと春香さん。今まではただ我慢していたことも、義両親にできるだけ理性的に、穏やかに、それは嫌だと伝えているといいます。利光さんは、そんな春香さんの変化を感じているのか、はたまたお餅の一件を感謝しているのか、スナックに行く頻度が激減したというから驚きです。

「もちろん、年季の入った義両親の意地悪が簡単になくなるはずもなく、いまでも諍いがあります。でも、だんだん大きくなってきた子どもたちが『ママも一緒に食べよう!』とか『お風呂先に入りなよ』とか空気を読まないでかばってくれるんです。

夫も『今時ちょっとおふくろうるさいよな』なんて少し前では考えられないようなことを2人のときに言ってくれたりします。

もう一生、この環境は変わらないんだとひたすら悲観していた時期もありました。でも、自分が少し変わると、意外な風向きになることがあるんですね」

 

春香さんは、そこまで話したとき別人のように柔らかい表情になりました。もちろんすべて問題が解決したわけでもないと言いますが、少なくとも「自分が嫌いになるような行動」を自分で断ち切ったぶん、自信のようなものが見て取れます。

今度のお正月は、結婚して初めて家族4人で温泉に行く計画を立てているという春香さん。義両親は驚いて大騒ぎしたそうですが、まずはおせち料理を作っていくことでなんとか交渉中だといいます。

他人は変えられないといいますが、作用しあって変化していくことはできるのだと希望を抱くことができました。

どうかお正月のご家族の楽しみが実現しますように。陰ながら、祈らずにはいられません。


写真/Shutterstock
取材・文/佐野倫子
構成/山本理沙
 
「いなくなればいい…」と思っていたモラハラ夫が、お正月に餅をのどに詰まらせた!?極限状態の妻の意外な行動は…_img0
 

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