逮捕された際の起訴状によると、ディディの組織的な犯罪についての隠蔽は最も古いもので1995年から始まっており、その中には2008年に大手デパート・メイシーズ内の「エッコ」というブランドの店舗で働いていた男性が、倉庫に押し入ってきたディディにオーラルセックスでレイプされ、被害を訴えるも揉み消されたという新たな疑惑も。

怖すぎて意味がわからないですが、ディディが手掛けていたアパレルブランド「ショーン・ジョン・クロージング」も当時同じデパート内に入っており、そのライバルブランドである「エッコ」で働いているというだけでターゲットにされてしまったこの男性は、ディディと彼が引き連れたガードマン3人に殴られ、ディディへのオーラルセックスを強要されたと言います。事実ならば、映画で観るようなギャングの世界が現実に存在しているということですよね。

この男性はその後、被害を「エッコ」のセキュリティに届け出るもメイシーズによって握り潰されたと主張。メイシーズは「ショーン・ジョン・クロージング」と数百万ドルの独占契約を結んだばかりだったため、エッコの幹部に原告を解雇するよう圧力をかけたと言います。最終的に男性は解雇され、社宅からも追い出されてしまったとか。


長いものに巻かれて、罪をお金で隠蔽する。みんなが知っている明白な事実を、自分たちが不利益を被らないために見て見ぬ振りをして被害者の声を社会的に抹殺する。そんなエンタメ業界が繰り返してきた大罪が、今回のディディ逮捕によって明るみになり一掃されて行くといいのですが。

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10月、ニューヨーク市マンハッタン区の連邦裁判所で審問に臨むディディを描いた法廷画。写真:ロイター/アフロ

ところで、ディディが関係したとされている児童人身売買はこれ以外にも世界各地で起きています。今週に入ってからも英国の慈善団体「セーブ・ザ・チルドレン」の事務所が、グアテマラ警察の家宅捜査を受けるというショッキングなニュースが報じられたばかり。

この慈善団体は表向きはもちろん子どもたちを救うのが本業で、理事長はバイデン米大統領の妻、ジル・バイデン。事件の主任検察官は、この作戦は「非常に重要な、国境を越えた調査」の一部であり、グアテマラの子どもたちがアメリカに密入国後に人身売買されていたとして、テキサス州に情報開示を求めたそう。
 

 


日本でも、2020年に特別養子縁組のあっせんを行う民間団体「ベビーライフ」が、“養子縁組のあっせんは原則国内”との決まりがあるにも関わらず、国際養子縁組を多数あっせんし、海外の養親たちから計2億円超を受け取ったとする事件が起きています(ベビーライフはその後、立ち入り調査を受けたあとに突然廃業)。

闇深い人身売買ビジネスについて、来年5月に予定されているディディの裁判では、どこまで明らかにされるのでしょうか。
 

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