カリスマパーソナル・トレーナーに聞いた!
忙しくて運動ができないミドル世代のダイエットと体メンテナンス
仕事や子育て、家事に多忙なミドル世代は運動が必要、といってもなかなかその時間を捻出できないのが現状。ではどうしたらいいのか。体づくりの専門家であるパーソナル・トレーナーの志水浩二さんにお話を聞きました。
志水浩二さん/パーソナル・トレーナー トータル・ワークアウト渋谷店 店長
⽇本初の パーソナル・トレーニングに特化したジムとして2001年3月に設立した「トータル・ワークアウト」でパーソナル・トレーナー歴18年。多くのプロアスリートのサポートも担当し、トレーニングだけでなく、理想のカラダづくりに適した食事管理についても的確にアドバイスする信頼厚いエキスパートトレーナー。
【ダイエット時の食について】
「まずは、日々失われるたんぱく質を補う食事、それからカロリー制限」
食事の内容を聞くとミドル世代の大多数の方はたんぱく質不足です。その状態でカロリー制限すると代謝が悪くなり、筋肉も落ちて痩せにくくなり、体力も当然失われます。まずは日々失われてしまう、自分の体重分のたんぱく質(45kgであれば45g)をがんばって食べること。忙しくて食事を手軽なもので済ませてしまう場合は、とくにプロテインなどでしっかり補給してほしいです。
その上で、痩せたいのであれば炭水化物や脂肪分が高いものを制限してください。
食生活の制限も我慢するのではなく、ヘルシーなもの、体の機能アップにつながるものの中で自分の好きな食べ物や調理法を見つけることが長続きのコツ。実は体内の水分量もあなどれません。「体水分」といってジムの体重計などで測定できますが、体の水分が十分あると筋肉のパフォーマンス力が上がり、痩せやすい体になります。飲む量は自分の体重×30ccが目安。
ダイエットの継続には体重だけにフォーカスしないことも大切。体重の減りは必ず停滞するので途中で諦めてしまいがち。体脂肪率や筋肉量、体水分量、疲れやすさや体の引き締まりなど体重以外のバロメーターをたくさん持っておくこと。できれば第三者にデータを見てもらい共有することで辛いときに引き上げてもらえるようにしておくと良いですね。40代、50代、60代でも遅すぎることはありません。筋肉を減らさない痩せ体質を目指してください。
【体力作りについて】
「運動する時間がなくても、脚の筋肉だけは落とさないよう頑張ってほしい」
体の中で一番大きな筋肉が脚の筋肉です。
筋肉は筋繊維と呼ばれる約60万本くらいの繊維で作られています。青年期から80歳までにこのうちの40%くらいが失われますが、運動しない限り、大きな筋肉である足の筋肉から減ります。高齢者が転んだりするのはこのためです。筋肉が減ると代謝が悪くなり太りやすくなり、体を支えきれなくなって疲れやすくなります。そして運動したくなくなるという悪循環に陥るので、とにかく脚の筋肉を減らさないことが大事です。
運動する時間がとれない場合、「階段を上がる」、「坂道を登る」ことが脚のトレーニングになるので階段や坂道を見つけたら率先して上ってほしいです。
また、パソコン作業、スマホ閲覧などで下を向いたり、姿勢が悪いと血流も悪くなり、腰、首、背中に負担がかかります。正しい姿勢を気を付けるだけで痩せやすく、疲れづらい体の土台作りになります。土台を作っておくと、将来、時間ができていざ運動しよう、となったときに脚の筋力が弱く代謝が低く、姿勢が悪くて血液循環が悪い、という状態よりもはるかに良い状態からのスタートとなります。
長年培ってきた筋肉はすぐには落ちないので、日常的な動きをコツコツ継続して健康寿命を延ばしていきたいですね。
立っているときの正しい姿勢:背骨の真上に頭を位置させ、横から見たときに耳たぶ、肩の先端の骨(烏口突起)、ひざの真ん中、くるぶし、の位置が一直線上にあるのが理想。
座っているときの正しい姿勢:椅子に深く腰掛け、骨盤を立てて背筋を伸ばし、ひじ、腰、ひざの角度が90度になるように座ります。内ももに緊張感があると骨盤が立ちやすいので膝で物を挟んでいるかのように内ももを締め、膝もかかともつけます。
【Gym Data】
トータル・ワークアウト
フィットネスの本場アメリカから最先端のトレーニング技術とともに2001年に創業したパーソナル・トレーニングジムの先駆け。ただ見た目をよくするのではなく、動きやすい、機能的な体づくりを目指す。代表である池澤智氏がプロデュースするカフェではプロテインドリンクはもちろん、たんぱく質豊富な食事やスイーツも楽しめる。
プロテイン企画でもたんぱく質の大切さをお伝えしましたが、ダイエットに関してもたんぱく質と筋肉は外せない大事なキーワードでした。やみくもに食事制限すればよかった若いころと違い、ミドル世代のダイエットは単純にはいきません。
そこは年の功、リバウンドしない賢いダイエットは健康的な体をつくることにつながります。60代、70代になっても健康で引き締まった体を目指したいですね。
撮影/目黒智子
ジム内撮影/志水浩二
構成・文/中田ゆき
編集/國見香
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