旅行前、もっとも面倒な「夫への引き継ぎ」
いよいよ旅が近づくと、やはり何より準備が大変だったのが「夫への引き継ぎ」です。
前回の記事では「イクメン」とだいぶ夫を褒めたつもりですが、とはいえメインで息子を見ているのは母親の私。幼稚園の用意、習い事のスケジュール、洋服や下着、小物などの場所、病院の情報など……一覧にして共有するのは意外と時間がかかります。
とりあえず洗濯物は洗いきろう、念入りに掃除をしとこう、息子の好きなおやつやおかずのストックは用意しよう……などと思うと家事も3割増しですることになり、また直前の休日は振替のような形で夫に1人時間を与えてワンオペを引き受けたのでかなりバタバタ。
加えて日々の仕事も前倒しで終わらせる必要がありますが、私の場合、正直仕事は気合を入れて時間を確保&集中すればなんとかなる。
それよりもやはり「引き継ぎ作業」をし始めると、あれもこれもとどんどんタスクが出てきて、「私って意外としっかり家事育児してるわ……」と自分を褒め称えたくなりました。
そして旅行の2、3日前から、なぜだか夫が息子に「ママが1週間もいなくても大丈夫なの?」と煽るような質問を投げかけるように。私的には完全に誘導尋問としか思えない流れで「いやだ。ぼくもいく」と言い出す息子。
夫に悪気はなく、たぶん何も考えずに言ってるんですが、そこは「1週間ママはリフレッシュしてくるから、パパと楽しもうね」とでも言ってくれたら全然ちがうんだけど……と心の中で小さく舌打ちしながら息子とは何度か話し合いました。
しかしおかげで、仕事や引き継ぎ作業に忙殺されるだけでなく、息子と向き合う時間も意識して確保できたかもしれません。
「あなたがお友達と遊びたいように、ママもお友達と遊びたいときがある」「大人しか行けない場所やレストランもあるから、おばあちゃんになる前に、身体が元気なうちにママも自分の時間を楽しみたい」「あなたとの旅行は子どもが楽しい場所に別で行くし、それもママにとっては幸せな時間なんだよ」……みたいなことを正直に話すと納得してくれ、同時に私自身も旅の意図がしっかり固まりました。
そしていよいよ迎えた当日。
朝6時に家を出たので、夫と息子は寝たまま、愛犬にだけ見送られて家を出ました。
去年、ママOFF初心者だった私は空港に着くまでにちょっと心身不調を起こすほどビクビク緊張したことはまだよく覚えています。
「こんな旅やめておけばよかったかもしれない」と罪悪感に後ろ髪を引かれ続け、フライト中もどんより暗い気分でしたが、今年は空港に着くと背中に羽が生え始めたように心が軽くなっていきました。
「OFF=休む」ことも、練習を重ねることでうまくなるものなのかもしれません。
さらに今回はママ仲間も増えたことで気持ちがネガティブにならずに済んだようにも思います。練習や仲間って、歳を重ねても、どんなシチュエーションでも大事なんですね。
15時間のフライト中は睡眠時間もしっかり確保して、とうとうパリに到着。久しぶりのヨーロッパ。ずいぶん遠くまで来たと実感すると同時に、ここまで来られた自分が誇らしい気持ちになりました。
1人旅行は子連れに慣れた身からすると心身が本当に身軽。これから1週間フルに大人の速度で自由に過ごせると思うと、開放感で震えが湧くほどです。
しばらくして他の便でパリに着いたママ友と空港で落ち合ったときは、まるで戦友と再会したような気持ちに。熱いハグを交わし、いよいよヨーロッパ女子旅が始まりました。
つづく。
次回予告▶︎パーティーだけじゃない!女子旅に強くおすすめしたいイビザの魅力とは?
漫画/小澤サチエ
前回記事「「パパ1人じゃ1日子どもの面倒を見られない」ってどうなの...?妻の“ママOFF旅”を快諾した令和のパパから学ぶこと 」はこちら>>
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