不安で眠れなかった子ども時代から、なんとかなる精神に大転換
ーーちなみにアルバイトは何をされていたんですか?
赤間:大学内の生協の本屋さんで教科書販売をしていましたね。やはり子ども達の学費にお金が掛かるのと、食費が大変で。今も大変ですけど、若い頃は幼稚園代も高かったし、とにかく食べさせることで精一杯みたいな状態でしたね。
ーー役者夫婦で、経済的には不安定な生活でも、「何とかなる」精神で乗り越えられたとおっしゃっていましたが、子どもの頃のエピソードを聞くと、不安で眠れないとか、卒業旅行のバスに乗ることが不安で途中で降りるとか、すごく不安を感じやすい性質だったんですよね。
赤間:すごく神経質でした。常にバクバクして、お腹がどくどくしていて、何かストレスがかかるとすぐに戻しちゃうんです。眠ろうして横になるとドキドキしちゃうので、目が覚めて寝れなかったですね。
ーーそこから変化があったんですね。
赤間:19歳で家を出た時から治ったような気がします。多分親が神経質で過干渉だったんだと思うんです。あれは危ない、こうしたらいけない、と。世の中怖いとこだみたいに幼い頃から思っていたんじゃないかな。
ーー役者というとすごく浮き沈みの激しい仕事で、しかも夫婦そろってとなると、いつ売れるかもわからないし、続けるのも結構勇気のいる決断だったと思うのですが、ここまで続けてこられた秘訣はありますか?
赤間:なんで大丈夫だったんだろう。もうやるって決めていたからですかね。お互いに絶対に死ぬまで役者をやるって決めて結婚したので、お互いが続けていく為にはどうしたらいいか、という選択を常にしてきたように思います。同じ無名塾の劇団員だから家族みたいな感覚なんです。出身が違う役者同士だったらもしかしたらうまくいっていなかったかもしれませんね。仲代さんに役者を続けると誓って結婚したので、その約束は絶対に死守しないといけないって。私も彼に役者を辞めて欲しくなかったし、彼も生活のために役者を辞めさせるのは嫌だったんだと思います。
ーー40歳になる目前で、19歳の時に自分が書いた「40歳になって何者にもなっていなかったら(俳優を)辞めろ」という手紙を読んで、一念発起し映画デビュー、結果的に50代でのブレイクに繋がりました。仕事が舞い込むようになったのは、自分の中で変化があったからだと思いますか? それとももう完全に身を任せた結果なんでしょうか?
赤間:今も昔もやってることは変わらないっていう感じはします。
こういう俳優になりたいとか、こういう芝居がしたいのにできないっていうのはずっと昔から今も変わらなくて。ここに到達するにはどうしたらいいんだろうって思い続けてる。あの領域に行くにはどうしたらいいんだ、みたいなのはもう19歳から今もずっと思っていて、到達できていないので、そのプロジェクトを続行しているみたいな感じです。死ぬまでになんとか一歩でも、と思い続けるんだろうなと思います。
赤間麻里子さん出演中『海に眠るダイヤモンド』
(TBS系/毎週日曜21:00〜)公式サイトより。公開中
昭和の高度経済成長期と現代を結ぶ70年にわたる愛と青春と友情、そして家族の壮大なヒューマンラブエンターテインメント!
脚本
野木亜紀子
(『アンナチュラル』『コタキ兄弟と四苦八苦』『MIU404』『フェンス』映画「ラストマイル」)
音楽
佐藤直紀
(『ブルーモーメント』『風間公親-教場0-』映画「ゴジラ-1.0」)
プロデュース
新井順子
(『アンナチュラル』『MIU404』『最愛』『下剋上球児』『9ボーダー』映画「ラストマイル」)
松本明子
(『トリリオンゲーム』『オールドルーキー』『婚姻届に判を捺しただけですが』)
演出
塚原あゆ子
(『アンナチュラル』『MIU404』『最愛』『下剋上球児』映画「わたしの幸せな結婚」映画「ラストマイル」)
福田亮介
(『18/40~ふたりなら夢も恋も~』『俺の家の話』Netflixシリーズ『離婚しようよ』)
林 啓史
(『いだてん~東京オリムピック噺~』『拾われた男』)
府川亮介
(『中学聖日記』『着飾る恋には理由があって』『ブラザートラップ』)
スーパーバイザー
那須田 淳
岡崎吉弘
編成
中井芳彦
後藤大希
製作
TBSスパークル
TBS
制作協力
NBC長崎放送
ヘア・メイク/国府田圭
撮影/杉本大希
取材・文/ヒオカ
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