本格的な寒さが身に沁みる季節。気になるのは、夏の猛暑でダメージを受けた肌悩みをケアしながら、冬をのりきるコスメ。しかも、コスパがいい製品をドラッグストアでいつでも購入できたら、なお嬉しいですよね。そこで、スギ薬局の化粧品バイヤー 山口智久さんに、ドラッグストアユーザーの化粧品の買い物事情と、店頭で話題の売れ筋コスメを聞いてみることに。使っているコスメの効果が今ひとつと感じている人、今、話題になっているコスメを知りたい人、必読です。
お話いただいたのは……
スギ薬局 ビューティ部 山口智久さん
コスメを選ぶ基準は何?
ドラコスユーザー買い物事情
ここ数年の美容のトピックスといえば、2020年のコロナ生活で当たり前のようにおこなってきた美容様式がガラリと変わったこと。生活様式の変化とともに美容意識も変わり、“必要とされる”コスメも変わってきました。
「お客様の買い物動向は“現場の声”としてメーカーやブランドにもフィードバックし、時代のニーズに合わせたモノ作りのヒントにしてもらっています」と語るのはスギ薬局の化粧品バイヤーである山口智久さん。ドラコスユーザー買い物事情の最近の買い物事情を聞いてみると……。
――最近のドラッグストアのコスメで感じることは?
「単品買い」が以前より増えて「指名買い」が多くなっています。以前はクレンジングからクリームまでライン使いしていたお客様も、減少傾向に。比率としては、50%くらいでしょうか? 「減少傾向で50%なの?」とお思いでしょうが、今までがものすごく高かったんですよ(笑)。
スギ薬局でも人気の敏感肌ブランド【ミノン アミノモイスト】は、製薬会社が敏感肌の方のために作られたシリーズで、乾燥肌、混合肌、エイジングケアなど肌悩みに合わせたラインナップが特長。1番人気のミルクは、軽すぎず・重すぎずのちょうどいいテクスチャーが支持されています。余談ですが、ミルクの次に売れている化粧水と比べると、購入人数も1.5倍ほど差があります。「これだけはハズせない」という単品買いの象徴アイテムでもあります。(山口さん)
――ライン使い層が減った理由についてはどのように考えていますか?
SNSの普及で、ブランドを超えてアイテムを使用する人が増えたことでしょうか。ですが、「化粧水と乳液(またはクリーム)は同じブランドで」という方もまだまだ多い印象です。(山口さん)
【買い物事情その①】
2024年の夏にヒットしたコスメはコレ!
美容情報が溢れている中、ドラコスで今、何が売れているのか、気になるところ。山口さんに今年の春夏にヒットした商品を聞いてみると……なんと「ボディペーパー」だったそう。 ギャツビーとコラボをして作ったアイスボディペーパー 2つの香りキンモクセイとネロリは、ビューティ製品の売り上げベスト10に入るほど大ヒット。
「昨年から発売した『ギャツビー アイスデオドラント ボディペーパー キンモクセイの香り』は、20代の若年層に受け入れられ4位、今年発売した『ギャツビー アイス ボディペーパー ネロリの香り』は、6位という好成績です。この価格(30枚入り ¥480)でトップ10に食い込んだのだから、相当な数が売れたということ(笑)。今年は例年以上に暑さ&汗対策をする方が増えたのでしょう。女性の購入者が多かったのも理由のひとつです」(山口さん)
ブランド担当者に聞いた「この商品のちょこっと自慢!」
ギャツビー アイスデオドラント ボディペーパーは、香りの良さに惹かれて購入するお客様が多かったようです。フレグランスなどでも話題となっていた甘く華やかで爽やかな印象のキンモクセイの香りをデオドラント製品に採用したことが奏功しました。「今、人気の香りが、デオドラントアイテムで登場した」とSNSでも話題になり、指名買いされる方が多かったと聞いています。
また、今年発売した透明感のあるフローラルとビターオレンジが調和するネロリの香りも人気。爽やかさをもちつつも、上品な甘さのある香りで男女ともに受け入れられました。ギャツビーは男性向けブランドですが、今回は女性も使いやすいパッケージにこだわった点も良かったのだと思います。(マンダム プロダクトマーケティング部 ギャツビー担当 田中佑樹さん)
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2006年スギ薬局入社。店長・スーパーバイザーを経て、2011年より商品部へ異動。10年以上の化粧品バイヤー歴があり、複数の部門を経験。趣味は人間観察。最近のお気に入りコスメブランドはNオーガニックで、香りのよいベーシックのミルクを全身に使用。他には、ゼラニウム&ラベンダーの香りにハマり中。