<2>辛いときほど、せめてきちんと片付いた部屋にいたい<br />~年末年始あなたに贈る「小さなインテリア語録12」~_img0
入院したら持って行けるように、と両親のために買った折りたたみの椅子。モーエンス・コッホのデザインしたフォールディングチェア、実は、北欧の名作椅子の一つです。インテリアのことなど何も知らない母が、しみじみと「きれいな椅子ねえ」と言ってくれました。美しいものは、知識を超えて人の心を打つのですね。

今はすっかり安定し、自宅で普通の生活ができるようになった母ですが、一時は寝たきりになるのでは…と思ったほどでした。退院し、ベッドから離れても、ほとんどリビングのソファで寝たり起きたり。そんな母にして上げられることは限られるのですが、できるだけ部屋をすっきりさせておこうと心がけました。薬の袋が散らからないようにカゴにまとめ、椅子の位置を整え、キッチンも母がしていたように何も置かずきれいに拭き上げる。体調が悪くても、好きな服を着たり、化粧をしたりすると、しゃきっとするように、整った部屋は心を支えてくれると思います。素敵なインテリアでなくてもいい。せめてきちんと片付いてすっきりとした空間であればーー。インテリアにはそんな力もあるのです。

<2>辛いときほど、せめてきちんと片付いた部屋にいたい<br />~年末年始あなたに贈る「小さなインテリア語録12」~_img1
 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【発売決定】この連載が本になりました!
『心地よく暮らす――インテリアの小さなアイデア109』


「インテリアの気づき」を、以下でもで発信しています(ほぼ毎日更新中)
モダンリビングのインテリアのプロ向けサイト「MLインテリア」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー