編集部・大森が試写室で思わず涙ぐんでしまった作品『ディオールと私』を紹介いたします。

クリスチャン・ディオールのデザイナーにラフ・シモンズが抜擢されてから、約3年がたちました。そのデビュー戦、2012年オートクチュール・ショーまでの8週間を追ったドキュメンタリー作品です。

と、聞くと、「私はモードに興味がないから……」と敬遠してしまう方もいるかもしれません。が、それはあまりにももったいない!
そこで、私が観ることを特におすすめしたい方は、スポーツ観戦好きな方です。映画のクライマックス、いよいよショーが始まる前の私の緊張感。それは、例えるなら、日本サッカー代表のワールドカップ最終予選の負けたら終わりな試合のPK戦の前。フリーでの逆転を試みるために守りに入れないオリンピックの浅田真央選手の滑走前。グランドスラム決勝で錦織選手が最終セットにもつれこむ……そんな試合をLIVE観戦しているくらいの緊張感と言えばなんとなくお分かりいただけるでしょうか?
あれ、かえってわかりづらかったですか?

とにもかくにも、ひとりの天才が、はかりしれないプレッシャーを受け、苦悶しながらも、目標に向かい才能を研ぎすませていく。それをサポートするプロフェッショナルな人たち。そして、それらがひとつになっていく見事なまでのチームワーク……結果、苦難を乗り越え、大団円を迎えるサマに、私は極上スポーツ観戦をした後のような多幸感を覚えたのです。

©CIM Productions

試写室で思い切り泣くことははばかられましたので、14日の公開後には劇場に足を運ぼうと思います。
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