こんにちは、編集・川端です。
ランキングの途中ですが、急に文庫本を紹介してもいいでしょうか。

年間のベストブックは新刊の単行本ばかりになってしまい、旅や帰省のおともには重たいし、お好みじゃなかったときに高いよな〜と。あ、今ね「みなさんのためを思って」ぽく格好つけちゃいましたが、正直に言うと上位3位をまだ迷っています(汗)。そんなわけでちょっと脱線します。

来年、映画化が決まっており、先にぜひ読んでいただきたいのが貫井徳郎さんの『愚行録』です。

貫井徳郎さん、オススメしたい本はたくさんあるのですが、私の一番印象に残っているのは『乱反射』です。

地方都市で幼児がある事故に遭います。その親が幼い息子が事故に見舞われた原因を探るうち、浮かび上がってくるのは小さな過ちの連鎖。トラブルメイカーの近隣住民、怠慢な態度のアルバイト医、緊急外来の常習者・・・。悪いのは誰なのか?

不幸な事故や事件には、犯人は1人と思いがちですが、そういう環境を作った元凶となる人が本当はいっぱいいるのかも。私もその一人になりえる(すでになっている)かも、そんな怖さがあります。
後味の良い小説ではありませんが、ぐいぐいと引き込まれます。

今年読むのにぴったりと思うのは、大好きな原田マハさん『総理の夫』

日本初・最年少の女性総理の夫の側から語られる妻の奮闘の日々。原発や税制、社会福祉などリアルに描かれる。改革を進めようとする主人公、そう簡単にはいかない現実にイライラしたり。

自分が同じ立場になることは想像しにくいので“共感”とはいきませんが、政治の話とは別に、夫婦や家族それぞれの“いま戦っている状況”への“敬意”って大事だなあと思いました。

今年、アメリカ初の女性大統領が生まれるかもと期待しましたが、そうはいきませんでしたね。日本では、小池さんが都知事になりました。私自身は、フェミニストではありませんし「男だから・女だから」とあまり言いたくないなと思っているのですが、超・男性社会の政治に風穴を開けてほしいなと期待してしまいます。

『総理の夫』のクライマックスは、女総理の主人公・凛子の演説にあります。言葉運びの説得力、気持ちの乗せ方が見事なんです。それはつまり原田マハさんの演説力がすごいということ。

原田マハさんの『本日は、お日柄もよく』を読むと、人の心を揺さぶる記憶に残るスピーチってこういうことを言うんだなあと勉強になります。

『本日は、お日柄もよく』大草編集長も読んでましたね。私は、ちょうど札幌出張の飛行機の中で読みました。となりの席の編集長が寝息を立てて、頭がたびたび私の肩に当たるので起こさないようにと思いながら、ウルウル涙したのをよく覚えています。(乗り物の中で寝られない私とすぐに眠れる編集長。さすが。羨ましいです)

そのほか続けて、3冊いきます。

  • 吉田修一さんの『怒り』2014年の「私のベストブック」第1位に選んでいたので映画化に歓喜! キャストは私の希望と違いましたが、映画のキャストに納得です。
  • 桐野夏生さんの『だから荒野』。身勝手でわがままな家族たち。「うぉーてめーら!“放っといてもお母さん”だと思って舐めやがって」とキレて家を出て行く主人公の誕生日の食事のシーンが秀逸です!
  • 角田光代さんの『森に眠る魚』。文教地区に住むお受験世代の子供を抱えた母親5人。通じ合えたと思ったのに・・・あの人がいなければ・・・。ママ友やお受験をテーマにした似たような小説はたくさんあるけれど、角田光代さんの筆力の圧倒的さがわかる1冊です。

もっとオススメしたい本があったはずなのだけど、今年、引越しの時に処分したり人に譲ったりしてしまって手元にないものが多くて・・・機会があればまた書きたいと思います!

うちに遊びに来た後輩に「かーばたさんってヒラマサさんぽいですね」と称された。願わくばみくりちゃんでいたいよね(笑)。あ、ミモレ的にはゆりちゃんを目指すべきですね。

年末に入ってみなさん体調など崩されていませんか? 私も気が抜けると風邪を引きやすいです。ゆっくりしてくださいね。
夢中になれる本との出逢いがありますように。
ランキングの続きはまた〜!