初めてルーブル美術館を訪れた学生時代、時差ボケでドラクロワの『民衆を率いる自由の女神』前の椅子でリュックを抱えたまま約1時間爆睡してしまった編集部・大森です。
ルーブル美術館の宗教画方面への興味があまりない私ですが、今回は日常を描いた風俗画(家事にいそしむ召使い、物乞いの少年、食卓につく農民の家族……)のコレクション。さらに、フェルメールの傑作「天文学者」が初来日ということで、久しぶりの国立新美術館へ。ルーベンス、ドラクロワ、ミレーなど、時代と地域を超えたコレクションは、さすがルーブルとうならざるを得ないものでありました(それにしても、すごい人、人、人! 「天文学者」前はかなりの大渋滞ぶり……。もし、お時間が許すのであれば、平日のオープン直後に行かれることをオススメいたします)


そして、うなったそのままの勢いで、国立新美術館から徒歩5分のサントリー美術館へ移動。
こちらは、与謝蕪村と伊藤若冲の展覧会です。この展覧会タイトルで分かる通り、なんと、天才絵師、蕪村と若冲は同じ生まれ年(=1716年)だった! 晩年は、京都の四条烏丸のご近所さん同士だった時期も(交友関係がある資料は発見されていないようですが、共通の知人との交流はアリ)! それだけでなんだかワクワクしてしまいます(別に歴女なわけではないのですが、そういうエピソードにそこはかとないロマンを感じてしまう質なのです)。個人的には、以前から実物が観たかった若冲の「象と鯨の屏風絵」と「野菜の涅槃図」が観られて感無量でした。


一見、まったく違う性質の展覧会のようですが、17〜18世紀当時のヨーロッパと日本の“風俗”や“空気感”をどっぷり体感できる2つの展覧会。私の脳内では一本の線でつながっている六本木のアートツアーだったのでした。
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