映画『美女と野獣』~エマ・ワトソンが『ラ・ラ・ランド』を蹴ってまで演じたベル役は必見。アニメ版ファンも大満足必至! _img0
 

『美女と野獣』
監督:ビル・コンドン
出演:エマ・ワトソン、ダン・スティーヴンス
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン TOHOシネマズ日劇ほかにて公開中

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ジャン・コクトーが監督を手がけたものや、レア・セドゥがヒロインを演じたフランス映画など、長く愛され続けている名作『美女と野獣』。なかでも最も親しみがあるのは、やはりディズニー・アニメーション版ではないでしょうか。そのディズニーによる待望の実写映画『美女と野獣』はアメリカをはじめ世界中で大ヒットを記録。ついに日本でも公開されています!

聡明さゆえに村の人々となじめずにいる娘、ベル。家に帰ってこない父親を探して森のなかの城へと入った彼女は、魔女によって獣の姿に変えられてしまった王子と出会います。
魔女が残したバラの花びらがすべて散る前に真実の愛を知らなければ、人間に戻ることはできないという呪いにかけられた王子。ベルと王子は、少しずつ心を通わせていきますが……。

映画『美女と野獣』~エマ・ワトソンが『ラ・ラ・ランド』を蹴ってまで演じたベル役は必見。アニメ版ファンも大満足必至! _img1
 

ベルが住む小さな村、ダーク・ファンタジー的な色合いのあるお城、何よりも魅力的なキャラクターたちが実写でイキイキと動き出す瞬間に興奮! ドレスの色やカメラワークまで忠実に再現されているシーンも多く、アニメを愛するファンの人たちも大満足できる作品になっています。

活動家としても知られるエマ・ワトソンは、偏見にとらわれず、インディペンデントな精神と知性を持つヒロイン、ベル役にぴったり。ポットや燭台、時計に変えられた召使たちのコミカルでリアルな動きも、実写版ならではの楽しさを感じさせてくれます。マッチョの押し売りが一周まわっていい味出しちゃうガストンには「うぬぼれ屋になったのもしょうがない」と納得させられる描写がプラスされたり、野獣の過去やベルの母のエピソードが描かれたりと、ほどよい具合のマイナーチェンジによってキャラクターの奥行きも増しているように感じられました。

映画『美女と野獣』~エマ・ワトソンが『ラ・ラ・ランド』を蹴ってまで演じたベル役は必見。アニメ版ファンも大満足必至! _img2
 

『シカゴ』『ドリームガールズ』のビル・コンドンが監督しているだけに、ミュージカルの楽しさのツボをおさえているのは、もちろんのこと! 『美女と野獣』などおなじみのナンバーと新たに加えられた美しい楽曲に彩られた世界に、うっとりさせられっぱなしの2時間10分です。

 
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PROFILE

細谷美香/1972年生まれ。情報誌の編集者を経て、フリーライターに。『Marisol』(集英社)『大人のおしゃれ手帖』(宝島社)をはじめとする女性誌や毎日新聞などを中心に、映画紹介やインタビューを担当しています。
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