「今まで着ていたものが似合わない」と思うことはありませんか? 体型、肌質が変わってきたから? それももちろんありますが、「大人になったら“心が服を着る”。体型や自分に似合うだけでなく、自分の納得できるスタイルの服を選ばなければ落ち着かないんです」とファッションジャーナリストの西山栄子さん。

だから心に合った新しい服を買うことは必要。ただ、これまでにたくさん経験をしたからこそ失敗は避けたいですよね。

服を選んでいて、これ好き! 使える! そう思ったときこそ実は要注意。「似合うわよね」と言われたものやコーディネートしやすいと思ったものはおしゃれに着こなせそうだし、使用頻度が高いものでしょう。でも、待って! 同じような服を持っていませんか?

「買い物をするときに、何回着たら元が取れるだろう、と考えてみましょう。1回着るといくら、1シーズン10回着るといくら、20回なら……。計算していくうちにちょっと冷静になり、本当に必要なものか見極められますよ」と西山さん。

西山流ファッションidea

 ①流行のワイドパンツは白のスニーカーと合わせると「今」の感じ。ただ太って見えやすいし、似合うかどうか不安だったのでまず「ユニクロ」で買ってトライ。
②8年前に買ったセリーヌのタキシードスカート。最初は特別な感じではいていましたが、便利でかなりはきこんでいるそう。いいものは数少なく大切に何年も着て、元をとるのが西山流。
③ママ友ランチは、最近のものでも渋めのものを選びます。みんなと馴染むようなコーディネートに。食事中はコートを脱いで、上半身を明るいカラーでまとめます。
④家族の食事会はみんなが楽しく過ごすために黒子で、子供たちが主役。落ち着きのある大人スタイルで参加します。場違いにならず、感じがよいことが大切で、おしゃれもさりげなく。


ファッションの仕事を始めて50年近くになる西山さんでも、自分のファッションを迷い続けているそう。「大人のファッションは心や生活とつながっているから難しいし、楽しい。 若い頃のおしゃれ経験を活かして、多くの人が素敵になってほしいなぁと願っています」(西山さん)。

 

『今までの服が似合わないと思ったら……
50代からのおしゃれバイブル』
 西山栄子

悩んだからこそわかった西山流素敵になる秘訣
これまでの服が似合わなくなってきたら、どうやって意識を変えていく?悩みはどう解決していく? 失敗しない買い物術は? 西山さんのワードローブとともにアドバイスします。

¥1300(税別)

PROFILE 西山 栄子さん

ファッションジャーナリスト。1947年山口県生まれ。文化服装学院デザイン科卒業。松屋銀座のファッションコーディネーターを経て、独立。長年にわたり海外のコレクション取材や講演などファッションの第一線で活躍。的確なトレンド分析、コーデイネーと指南に定評がある。

文/相場美香(書籍担当編集)