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「少ない」「小さい」は快適だと知る

「人生の3分の1は寝ているのだから」と、寝具は高価でも自分にピッタリ合ったものを揃えている。

皆、生活の質を上げようと多くのモノを持ったり広い部屋に引っ越していったりしますが、決して「多い」「広い」が快適とは限りません。私の場合はムダを削ぎ落していった結果、6畳のワンルームにたどり着きました。日本に来た当初はモノに縛られたくなくて、冷蔵庫も置いていませんでしたから、墨絵の先生が「ドミニックさんの部屋は何もないから、ここで教室を開こう」と言ったほどです(笑)。

私は小柄なので、ソファは1.5人がけのコンパクトなものを置いていますし、布団も、長さも幅も一般より短いものをオーダーメイドしました。今は置くようになった冷蔵庫も、一人暮らし用の小さな容量のものです。おかげで「とりあえず」といらない食材を買って、調理をしないまま放置し腐らせてしまうこともありません。

広い部屋で暮らしていると、それに合わせて、どうしてもモノが増えていきます。大きいモノを持っていると、使っていてどこかしっくりこず心地も悪いものです。でも自分にぴったり合ったサイズのモノで暮らすと、小さな自分の宇宙に暮らしているようで、とても落ち着きます。読者の皆さんにも、「小さい」「少ない」、そして「軽い」は想像以上に快適だということを知ってもらえたら嬉しく思います。


ドミニック・ローホー
著述家。フランス生まれ。ソルボンヌ大学で修士号を取得し、イギリス、アメリカ、日本の大学で教鞭を取る。様々な国に移り住む中で、モノを持たず豊かに暮らす「シンプルライフ」を確立。それを本にまとめた『シンプルに生きる』(講談社+α文庫)がベストセラーに。他に『シンプルリスト』『99の持ちもので、シンプルに心かるく生きる』(ともに講談社)など著書多数。また禅寺や墨絵を通して日本の精神文化に理解が深いことでも知られる。


〜次回は「「ノーセカンドチョイス」と「ワンアクション」が豊かな時間を生む」 6月8日公開予定です〜

第一回「完璧主義ではなく快楽主義を目指す」はこちら>>
第二回「良いものは高いものとは限らない」はこちら>>

 

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取材・文/山本奈緒子 写真/ドミニック・ローホー著「99の持ちもので、シンプルに心かるく生きる」より
構成/大森葉子(編集部)