FRaU4月号でお話を伺った斉藤由貴さん、今年デビュー30周年とのことでテレビで目にされた方も多いかもしれません。『卒業』で歌手デビュー、『スケバン刑事』で初代ヒロインに抜擢されたときは18歳。私、さすがに当時は子どもすぎてどんぴしゃ世代ではないのですが、国民的アイドルを経験した人の神々しさというか、「あ、ホンモノのスーパースターだ」とオーラに圧倒されました。

少女のような可憐さ、おっきな目でじっと目を合わせられるとドキドキしちゃいます。

そんな斉藤さん、実はなんと3児の母!
数年前に3ヵ月で11キロ落とすダイエットに成功したそうです。柔らかな雰囲気からは想像もできないようなストイックなダイエット法に驚きましたが、そこでご自身がものすごく意識が変わったそう。「努力で得られた美しさが、どれほど女性に幸せな気持ちをもたらしてくれるものか」という言葉にとても重みを感じました。痩せて得られた身体そのものの嬉しさに加えて、お洋服やメイクをもっと楽しみたいという前向きな気持ちが女の幸せ。

私は斉藤さんのお話を聞きながら、ある小説のことを思い出していました。
『別冊文藝春秋』で連載されている朝井リョウさんの「武道館」という小説なのですが、武道館ライブを目指す女性アイドルグループを描いているんですね。太ったの、痩せたの、態度が悪いだの、あっという間にTwitterで叩かれ、【悲報〇〇激太り!】【炎上○○終了のお知らせ】などというスレッドが立ち並ぶ。少女たちは傷つきながらも、大人たちを利用する姿を描いています。(とっても面白いのでミモレ読者の皆様にもオススメです!)

斉藤さんが現役アイドルだった時代にはネットやTwitterはなかったけれど、もっと今よりアイドルが神聖化されていた(トイレもいかないくらい?)時代にトップを張っていたわけで、どれほどの炎のなかをくぐり抜けてこられたのか、と改めて尊敬の眼でみつめてしまいます。

年齢には抗うことはできなけど、「こういう職業ですからね。ファンの皆さんの夢を壊さないことも私のお仕事」と小さな声で話される斉藤さんの芯の強さに、私自身も背筋が伸びました。

斉藤由貴さんのインタビュー、わずか1ページではもったいないくらいでしたが、ぜひお手に取ってお読みいただけたら嬉しいです。
さて、「ホルモン・ビューティ」については今回が最終回。フラウ編集部は今、次号の「バンコク」特集号を校了し、その次の号の撮影・取材をしています。そのお話はまた!