「洋服、合わせる小物、ヘアスタイルはあれこれ考えるのに、顔=メイクは”別モノ”にしてしまって、本当にいい?」−−− そんな、とってもシンプルでベーシックな疑問に、メークアップアーティストの水野未和子さんと考えます。

前回に続き、登場いただくのは「今日のコーデ」でも人気のエディター&ライターの松井陽子さん(Instagram:yoko_matsui0628)。デニムスタイルの”赤リップ”に続いて、今回は松井さんのシャツスタイルを水野さんがメイクでさらにブラッシュアップ。

「普段、ほとんどメイクをしない」という松井さんに、今回も水野さんのメイクがどんな化学反応を起こすのか。ぜひチェックしてみてください。


第1回:「デニムコーデを洗練させる「立体眉」の描き方」 はこちら>>
第2回:「大人こそ春メイクは「ピンク」。肌に自然な血色を足す方法」 はこちら>>
第3回:「デニムの日の定番・赤リップ。プロが勧める旬の1本とこなれる塗り方」 はこちら>>


水野未和子(みずのみわこ) 3rd所属。米国留学後、ロンドンにてメイクアップアーティストとして活動。メイクアップに対する独自のセオリーと洗練されたセンスで、女優やモデルからも絶大なる支持を集める。CMや広告、雑誌の表紙も多数手がけている。
Instagram:mizuno.miwako

 

水野さん:「シャツスタイルにも陽子さんらしさがちゃんと出てますね。個性がある!普段より少し改まった雰囲気の装いですよね。とはいえ、陽子さんには特別なことは何もいらないと思うの。お肌は素肌の色を、リップも唇の色を整えるくらい。あとは骨格をより引き立たせるようにしましょう」

松井さん:「今日のシャツスタイルは、私の中ではちょっとお出かけする日のイメージかな。特別なことをしなくていいって、まあまあ“素”ですね。(笑)いつもの自分とどう変わるのか、未和子さんマジックに期待します!」

水野さん:「陽子さんの今日のキーアイテムは、グロウ スティックとシェーディング。いずれも仕上がりに使うコスメアイテムです。ハイライターは、テクスチャーがクリーミーで、川良編集長のシャツの時に使ったパウダータイプのものとは違うの。使用感も、用途も、仕上がりも全然異なるものです。陽子さんにはこちらの方がいいので、仕上げに使いますね」


第1回:「デニムコーデを洗練させる「立体眉」の描き方」 はこちら>>
第2回:「大人こそ春メイクは「ピンク」。肌に自然な血色を足す方法」 はこちら>>
第3回:「デニムの日の定番・赤リップ。プロが勧める旬の1本とこなれる塗り方」 はこちら>>

 


松井陽子のシャツメイクとは?

「素肌の内側からみずみずしく。光と陰をレイヤードさせて、表情にも余韻を加えて」

 
 

松井さん:「わー!これは違う。いつもとほぼ変わっていないはずなのに、全然印象が違うの。びっくり!」

水野さん:「顔のパーツにより立体感が生まれているんです。そして、素肌の内側から輝いているイメージ、でしょ?これは、グロウ スティックの効果です。塗っているところは、顔の中の“高さ”のあるパーツ。それは川良編集長と同じ。でも、仕上がりの印象は全然違います。パウダーとクリーミーなものと、テクスチャーを変えることで、輝きの質が全然変わるんです」

松井さん:「湿度感がありますね。濡れたような、みずみずしいツヤ。だからなのか、素肌にハリがあって、さらに明るくなった感じ。トーンアップしているというか」

水野さん:「そう!素肌がふっくらと、みずみずしい仕上がりに。陽子さんのお顔の高い部分がより際立っているのもわかりますか?だから素顔っぽいのに、余韻があって印象的になるんです。だからあとはもう、眉毛とリップをディファインさせればいいんです」

松井さん:「ディファインということは、形をよりくっきりと際立たせるということ?」

水野さん:「そうです。際立たせて、よりはっきりと明確にします。眉毛はその人の知性を表すパーツだから。とはいっても、ないものを描くのではなく、よりしっかりさせるくらいのイメージです。川良編集長のデニムスタイルの時と同じように、眉はテクスチャーも色もレイヤードさせて、よりふんわりと自然に。リップも色を整えるくらいでOK。いつもよりはフォーマルな印象ということだけれど、フォーマルっぽいメイクをすればいいということではやっぱりないから。陽子さんのままでいい。いろいろと重ねて、別のものに仕上げていく必要は全然ないの」

松井さん:「メイクしていただくと、なんだろう、自分が客観的に見えてきますね。自分のことを知るきっかけになるんだなって、つくづく思います」

水野さん:「川良さんの時にもお話したのですが、大人のメイクって『ないものを作るのではなく、その人が持つ良いものを引き立てる』というイメージなんです。別人格を作ろうとするのではなく−−−− それもまたファッションにおけるメイクの一つの表現ではあるのですが、大人の日常を彩るメイクって、それとは違う。ある程度のルールもあるでしょ?それを踏まえた上で、その人の内側の魅力を外側に引き出せたら、より明確に表現できたらって思うんです。それに、そもそも大人が別の人になろうとする必要なんてないの。自分の人生を重ねてきて、今の表情があって。それこそがその人の魅力なのだから」

松井さん:「本当にそうですね。若い子のメイクは楽しいものでよいかもしれない。それが個性の表現方法だったり、若いパワーだったりするからね」

水野さん:「そう。それこそが若者の特権。大人は装いと同じで、メイクも見出しなみの一貫。どこに行くとか、誰に会うとか、何時頃にどうするということをわきまえているかどうかも、その人の品性、教養につながるから」

松井さん:「普段メイクをほとんどしない私の場合は、セレモニーやホテルで会食の日にすっぴんすぎるのはさすがに違和感があって。それも、方向性は違うのですが、メイクについて考えさせられるポイントだと思っていたんです。でも、普段やり慣れていないから、合っているのかいないのかわからないけれど、ちょっとチークを足してみたり、くらい?照明の光が違う場所だと、素顔の方がいいとは言えないので、その使い分けを上手にきたらいいなってずっと思っていました」


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