大人の女性にとって、ステディなアイテムであり、また着こなし方によって自分らしいスタイルの基礎となってくれるシャツ。今回は大草ディレクターに今の気分を伺います。あらゆるブランドのシャツを着てきた大草直子ディレクターも10年以上前からフィナモレのシャツを愛用しているそう。そんな大草ディレクターに、フィナモレとの出会いから、この秋着たいシャツの着こなしまで伺いました。

シャツ¥35000/フィナモレ(新宿髙島屋シーズンスタイルラボ) パンツ/クロエ、サンダル/マノロ ブラニク、ピアス・ネックレス・リング(左手、黒)/すべてアルティーダ ウード、バングル/ティファニー、リング(左手、シルバー)/アスプレイ、リング(左手、ゴールド)/マルコム ベッツ(すべて本人私物)

「イタリア・ナポリにあるシャツ専業ブランド『フィナモレ』。イタリアらしいクラシカルなシャツを作り続けている老舗ブランドです。初めてフィナモレのシャツに出会ったのは、まだ30代前半のころ。シャツは通常掛けてある状態よりも着た時の方がかっこいいものだけど、フィナモレのシャツは掛けているところから、もうすごくかっこよくて。なんて佇まいの美しいシャツなんだろう、と思いました。
最初に購入したのは、ベーシックな白のリネンシャツ。当時の私にはやや高価なものではありましたが、最初は美しいシャツの仕立てを楽しんで、その後はビーチでビキニの上に羽織って着たり、最後は柔らかく少しくたっとなったシャツをパジャマに……と、長年色々なシーンで楽しみました。フィナモレのリネンは、ふんわりとした柔らかさがあり、体がスッと入っていく着心地の良さは圧倒的。袖付けが職人による手縫いなので、リネン100%でも腕が縮こまる感じがまったくなく、ストレスなく着られます。
子供が小さいときは少しシャツから離れていたのですが、40代になりデコルテが削げて広くなり、首に筋が入ることで、襟のあるシャツとバランスが取りやすくなり、また着始めました。昨年はご縁があって歴史あるナポリの工房にもお邪魔することができ、改めて美しい仕立てのシャツの魅力を再認識しています」(大草さん)

ドラマティックに着こなす秋色デニムシャツ 

 

「この秋、ちょっと深い色が着てみたくて選んだ、濃色のデニムシャツ。肌色とのコントラストをつけることで、よりドラマティックになり、カジュアルなのにどこかクラシカルな印象に。ビックシルエットではないけれど、けっして着ていてきつい感じはなく、襟やボタンの開け方でも可動域が変わります。シャツを主役として楽しめる時に着たい1枚。今日はテラコッタカラーのパンツを合わせて秋のバイカラーコーデにしましたが、デニムオンデニムにしたり、黒のレザーと合わせたり、色々な着方が楽しめそう!」(大草さん)


リネンを全身で楽しむシャツワンピース

ワンピース/フィナモレ、サンダル/セルジオ ロッシ、サングラス/ブラン、ピアス・ネックレス・リング(左手、黒)/すべてアルティーダ ウード、バングル/ティファニー、リング(左手、シルバー)/アスプレイ、リング(左手、ゴールド)/マルコム ベッツ(すべて本人私物)

昨年のヨーロッパ出張にも愛用。

「このサフランイエローのリネンワンピースは、昨年カオスで購入したもの。定番のドレスシャツをメインに作っているフィナモレで、ロング丈のシャツワンピースは珍しい!そしてこんなに綺麗な色のリネンを全身で着られるのは嬉しいですよね。イタリアでの出張は、工場への取材の際も、ビーチに行く時も、このシャツワンピースを着ていきました。さまざまなシーンにマッチする、愛着のある1枚です」(大草さん)

30代に愛用していた思い出の一枚

 

大草ディレクターが最初に出会ったフィナモレのシャツは、書籍『大草直子の最愛リスト』のなかでも紹介されています。
「しなやかだけれど、リネン特有の粗さもあって、春の終わりから秋まで、かなりの頻度で着ている一枚。小さな衿、小さな胸ポケット、サイドスリットの入り方も絶妙で」と当時からフィナモレのシャツに魅了されていた大草ディレクター。「夏中たくさん着れば、その次の初夏には、きっといい具合にくったりとしなやかになっているはずです。そんなふうに、変わっていく風合いを楽しみ、何年か経った後には、きっとビーチ専用の一枚になっているのでしょう」と、素材の変化を楽しみながら、実際に長く愛用されてきたことが分かります。

お問い合わせ先/フィナモレ(アマン
tel. 03-6805-0527


撮影/最上裕美子
ヘアメイク/清水ヤヨエ(+nine)
原稿/出原杏子

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