めまいが起きてしまうと、仕事や家事に集中するのが難しくなってしまう場合もあります。めまいを予防したり、めまいとうまく付き合っていくためには、普段どんなことに気をつければいいのでしょうか? 「めまい」最終回は、めまいに効く体操や日常生活の注意点について、耳鼻咽喉科専門医の前田陽平先生に教えていただきます。

 

めまいに効く体操などはある?


耳からくるめまい(内耳性めまい)の場合は、リハビリの有効性がある程度証明されています。座った状態で目だけで指を追いかけてみたり、立ってみたり、歩いてみたりと、無理なく行える簡単な運動内容です。

つまり慢性期であれば、じっとしているよりも普通の日常生活を送るだけで、ある程度めまいの改善に効果があるとも言えるかもしれませんね。


めまいを起こさないために、日常生活で気をつけることは?


メニエール病などで行われる水分摂取療法などを除けば、基本的には食事がめまいに影響を与えるということはあまり考えなくてよいと思います。一方で、めまいはやはり疲れている・ストレスの多い時に症状を訴える方が多いと考えられるので、睡眠不足を避けることは一般論として大事だと思います。

 

睡眠不足がひどい方は、めまいで耳鼻科を受診した際で構わないので、先生に相談して欲しいですね。もちろん私は精神科医ではありませんが、めまいの背後にうつ病を疑う場合は、患者さんの睡眠の状態を知ることがとても大事だと考えています。

夜眠れないことが続いても、精神科に行くことに抵抗がある方はまだまだ多くいらっしゃいます。めまいで受診した耳鼻科に「行ってみたほうがいいですよ」と言われることで、心療内科や精神科、メンタルクリニックへのハードルが下がる場合もあるかもしれません。どうか遠慮なく耳鼻科の先生にいろいろと相談してみてくださいね。

前田陽平 Yohei Maeda

大阪大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科。耳鼻咽喉科専門医・指導医・医学博士。アレルギー学会認定専門医・指導医。Twitterでも耳鼻科や医療関連の情報を発信している。
【Twitter】ひまみみ 耳鼻科 前田陽平(@ent_univ_)


取材・文/金澤英恵
イラスト/徳丸ゆう
構成/山崎恵

 

【全6回】
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第三回「更年期の女性にめまいが多いのはなぜ?原因と治療法を耳鼻科医が解説」>>
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