人気エディターの小林文さんに、最近のお気に入りアイテムをコーディネートとともに紹介してもらいます。

ブラウス¥19800/アルディー ノアール

以前この連載で、「辛口派のための、甘くない甘トップス」というタイトルの記事を書いたことがあるのですが(詳しくはこちらへ)、今回はその“2021年版”をお届けしようと思います。

 

基本辛口派な私ですが、レースやフリルも嫌いではありません。むしろ結構好きです。ただし、“辛口派”だしすっかり“大人”でもあるので、選ぶ際はとにかく吟味に吟味を重ねています。たとえば、レースならコットンのカットワークレースよりリバーレースを、フリルならハリ素材よりとろみ素材を…といった具合に。

今回もそんな“辛口・大人・吟味”派な目線で、とびきり気に入ったものを見つけました。

“アルディー ノアール”の黒フリルブラウス、です。

実は春ごろ、ロングスリーブタイプが販売されていたんです。担当した雑誌の企画でスタイリストさんがリースしてきてくださり、実物を拝見したらそれはもう素敵で! 白と黒の2色展開だったため、「うーん、どちらにしよう…」なんて呑気に迷っているうち、完売。心の中で泣きました。

が、5月に入り、「夏バージョンが6月に登場する」と知り、オンラインショップの予約ボタンをポチッ。普段、1か月以上先の予約なんて滅多にしないのですが、今回は別。気が変わることはないだろうし、今季のトレンドのようで意外と流行り廃りのない、フレンチシックなデザインだからずっと着られそうだし、と。

ある日、仕事から帰宅すると宅配ボックスに届いていました。晩ごはんの準備を後回し(笑)にして、さっそく試着。

「やっぱりいいわ〜」。ひとり、鏡の前で目を細めました。

 

「いいわ〜」の中身をお話ししますと、素材とデザインのバランスが絶妙だということ。

背中から肩、へそのあたりへぐるっと繋がる大きな襟、その襟のふちにあしらわれた幅の狭いフリル、深いV開きの2箇所についた細くて長〜いひも。甘い要素をふんだんに盛り込んでいるように見えて、それぞれは繊細で主張しすぎない。

素材はというと、さらりとマットな光沢を感じるポリエステル。表面はツヤツヤピカピカではなく、ヴィンテージもののようなシワがほんのり施されています。真っ黒より墨黒に近い浅い色出しも、この生地ならでは。

大胆かつ繊細なデザインときれいめすぎない素材のおかげで、辛口に慣れた体にも、驚くほどすんなり馴染むブラウスです。

 

コットンジャージー素材のハーフパンツとスエードのフラットサンダル、レザーのショルダーバッグ。オールブラックでまとめても、デコルテや腕で肌見せできるブラウスだから、暑苦しく見えることはありません。

他のコーディネート案としては、ブラックデニムを合わせてカジュアルに、今季復活のホワイトデニム(スキニーすぎないもの)で爽やかモノトーン、久しぶりにホテルで食事するなら、センタープレスの入った黒パンツと細身の黒ベルトでセットアップ風にetc.……パンツだけでもほら、こんなにたくさん着回しできそうです。

“辛口・大人・吟味”派の皆さん、ぜひお見逃しなく♡

前回記事「【サマーニット】私が夏でも“ニット”を着る理由」はこちら>>