今日はワインが飲みたい! と思い立って近所のスーパーへ行ったものの、陳列棚の前で立ち尽くした経験はありませんか? 産地、品種、味わい、値段……。好みの1本が一体どれなのか分からず、結局店頭のおすすめコメント頼りになってしまう。それはそれでひとつの出会いとも言えますが、専門知識がなくても「自分で・気軽に」選べる方法があったら、ワインの楽しみ方ももっと広がるはず。常々そう考えていた筆者でしたが、ワイン&フードジャーナリストの安齋喜美子さんの著書『ワイン迷子のための家飲みガイド』に、その答えを発見! ワインの基礎知識と家飲みに最適な1本を教えてくれる本書から、お家ワインをもっと自由に選ぶ・楽しむ方法をご紹介します。

 


ボトルが教えてくれる「おおよその味」


ワイン売り場でラベルを見比べていても、今ひとつ味のイメージが湧かない……。そんなときは、「ボトルの形」をチェックしてみてください。どこの国のワインか、どんな品種かわからなくても、ボトルの形でおおよその味わいが予測できます。

■いかり肩

 

まずは「いかり肩」のボトル。これは、フランスのボルドーワインに代表されるボトルです。

 

このボトルに多く使用されている品種は、赤ワインの場合は、カベルネ・ソーヴィニヨン種やメルロ種など。タンニンをしっかりと感じる「渋め」の味が特徴です。ほかには、イタリアのサンジョヴェーゼ種やアルゼンチンのマルベック種、スペインのテンプラニーリョ種、ジンファンデル種なども、この「いかり肩タイプ」であることが多いです。

一般的に「ボルドータイプ」と呼ばれる。熟成させるとワインの中に澱ができるので、注ぐ際に澱が出にくいようにしたとの説も。赤なら重厚でタンニンもしっかり、白はすっきり系の味が予測できる。

「いかり肩」のボトルに共通する味は、「コクあり濃いめ」と言えると思います。また、白の場合はソーヴィニヨン・ブラン種や甲州種など、すっきり系の味わいであることが多いです。

また、何種類かの品種をブレンドしたワインであることが多いのも特徴です。

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参考:安齋喜美子さんの「奮発ワイン」3選
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普段お家では、リーズナブルで美味しいワインを楽しんでいるという安齋さん。ハレの日や自分へのご褒美に選ぶ「奮発ワイン」では、「シャトー・シャス・スプリーン」「エマズ・ブロック ピノ・ノワール」「ルイナール ブラン・ド・ブラン」などを紹介。