いま、猫好きのなかで密かなブームになっている『ひげが ながすぎる ねこ』という絵本をご存じでしょうか?
この絵本を手がけたのは北澤平祐さん。個展を開くと、おしゃれ女子がたくさん集まるという、いま大人気のイラストレーターです。ミモレ読者の方々には、洋菓子の「フランセ」や「キャラメルゴーストハウス」のイラストを描いた方、とお伝えした方がおわかりいただけるかもしれません。
今回はミモレの“かわいいものリサーチ担当”こと、「おいしくてかわいい食えらび」連載が大人気のお菓子缶研究家・中田ぷうさんと、北澤さんの対談を実施。なにかと共通点が多く、初対面とは思えないほど盛り上がった取材の様子をお伝えいたします。
中田 『ひげが ながすぎる ねこ』、うちも保護猫がいるので家族でとても楽しく読ませていただきました。猫って、本当に人気ですよね。お菓子缶の世界でも、猫は魔性の生きものなんです。
北澤 ありがとうございます。お菓子缶の世界でも猫って人気なのですか?
中田 そうなんです。犬や猫が描かれているお菓子缶を輸入すると、海外では犬猫平等に売れるのに日本では猫だけ売れるんです。日本では「猫」ではなく「お猫様」(笑)。私もそうなのですが猫が好きな人って、猫ならなんでもいいんですよね。血統書つきでも、塀の上でシャーっと威嚇している猫でも全部かわいい。
北澤 わかります。どんな柄でも、ひとんちの猫でもみんな大好き。
中田 一方で、犬を飼っている人は、自分の犬種だけにしか興味がないらしいんです。犬グッズを出しても、(自分の飼っている犬が)ラブラドールならラブラドールグッズしか買わない、フレンチブルならフレンチブルグッズしか買わない。
北澤 それ、聞いたことがあります。
中田 不思議ですよね。私も前は犬好きだったんですけれど、猫を飼うようになってから、どんな猫でも可愛いって思うようになりました。
北澤 猫って、やんちゃな感じがしますよね。基本あんまり笑顔な時はなくて、ふてくされているのがデフォルトで(笑)。
中田 だから、この絵本を拝見して、北澤さんは本当に猫がお好きなんだろうなって感じました。この猫ちゃんの表情ったら……。猫ならではのツンデレ感、無視されるのは嫌なんだけれど、かまってくるのも不愉快、みたいな(笑)。これを描けるのは猫を飼っている人ならではですよね。
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