お産の痛みを美徳ととらえる風潮は、
今後はなくなっていきます

 

出産を控えている場合に、お産の痛みに対する不安や恐怖があって、無痛分娩にしようかと迷う人も少なくないと思います。

お産の痛みは、子宮が収縮するときの陣痛と、赤ちゃんが通るときに産道が引き伸ばされる痛みがありますが、〝手の指を切断されるくらいの痛み〟などとたとえられるように、かなり強い痛みがあります。

無痛分娩は硬膜外麻酔という麻酔をして行うもので、お産の痛みが生理痛程度まで和らぐと言われています。痛みへの恐怖心が抑えられるので安心して出産にのぞむことができて、緊張に伴う疲れも抑えられるというメリットもあります。

 

海外では無痛分娩が主流なのに対し、日本ではごくわずか


海外では無痛分娩のほうが主流になっていて、アメリカでは2008年の段階で60%、フランスでは2010年には80%の女性が無痛分娩を選んでいるというデータがあります。これに対して日本では6%程度とごくわずかです。

 

その理由は、日本ではお産の痛みに耐えて我慢することを美徳とする風潮があるからではないかと思います。
でもこの風潮は、これから変わっていくことが望ましいと思います。

無痛分娩のさまざまなメリット


無痛分娩は、麻酔をしても意識ははっきりしているので、通常の出産と同じように出産直後に赤ちゃんを抱っこできます。
また、分娩後に腟や外陰部に縫合が必要になったときに、無痛分娩でない場合は局所麻酔が必要になりますが、無痛分娩の場合はすでに麻酔がしてあるので縫合の痛みもありません。
万が一、緊急で帝王切開に切り替えることになったときにも、麻酔がしてあるのですみやかに切り替えられますし、個人差がありますが、分娩後の回復が早い傾向もあります。

 
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