人の気持ち、わかるかな?

 
 

幼い頃は「ありがとう」や「ごめんね」が言えなかったリュウ太くん。注意してもあまり響いていなさそうな様子に、「うちの子には相手をいたわる気持ちが欠けている……」と、かなしろさんもずいぶん悩んだそうです。

 

そんな時ふと思い出したのが以前、取材で出会った、特別支援学級での教員経験もある高校の先生のお話。「さまざまな立場の人物が登場し、ぶつかったり支え合ったりするドラマは、子どもたちが人の気持ちを理解するのに役立っているのかもしれない」というアドバイスから、かなしろさんはリュウ太くんと一緒にドラマや映画を積極的に観てみることにしました。

かなしろさんが登場人物の心情を解説しながらの「親子ドラマ観賞」はその後何年も続き、いつしかリュウ太くんも中学2年生に。はたしてドラマ鑑賞の効果のほどは……?

 
 
 
 

発達障害があるからといって人をいたわる気持ちはないのではなく、心の成長がマイペースなだけ。ただそこに至るまでには、たくさんの悲喜こもごも(?)が必要だったようです。

前川あさ美・東京女子大学教授いわく、人の気持ちを汲み取るトレーニングには、ドラマ以外にマンガやアニメも有効とのこと。目に見えないものを認識するのが苦手な発達障害の子どもには“気持ちの見える化”がキーワードのようです。