叱っても行動を変えられないのはなぜ?

 

発達障害がある子どもによく見られる日常生活でのトラブルの一つが、食事での「粗相」。リュウ太くんも小学4年生ごろまでは、3日に1回は汁物をひっくり返してしまっていたそうです。

 

しかしかなしろさんは、当時通っていた児童精神科のペアレント・トレーニングでの指導を参考に、途中から叱るのをやめ、リュウ太くん自身に後始末をさせるだけに。

さらに、大人になったリュウ太くんに当時の率直な気持ちを取材したところ、改めて「発達障害のある子にガミガミ言っても、決して心に届かない!」とわかったのだそうです。発達障害がある子どもの、問題行動を起こした時の“心の中”とは、一体どんな状態なのでしょうか?

 
 
 
 
 
 

「なぜ言ったことが伝わっていないのか」「注意された時、心の中はどうなっているのか」を理解することで、遠回りでも互いにストレスの少ない方法に辿りつけたにゃんこ。さん親子。

前川あさ美・東京女子大学教授も「彼らは“変化がゆっくり”なのです。にゃんこさんのように急がば回れで関わり続ければ成長します!」と、にゃんこ。さんの対応に太鼓判を押しています。


かなしろ にゃんこ。
千葉県生まれ、漫画家。1996年に「なかよし」でデビュー。おもな作品に『漫画家ママの うちの子はADHD』『うちの子はADHD 反抗期で超たいへん!』(ともに田中康雄監修)『発達障害 うちの子、人づきあい だいじょーぶ⁉』(以上、講談社)、『発達障害でもピアノが弾けますか?』(中嶋恵美子原作、ヤマハミュージックメディア)などがある。発達が気になる子どもの親向けポータルサイト「LITALICO発達ナビ」でコラムを好評連載中。

前川あさ美(まえかわ・あさみ)
東京女子大学教授(現代教養学部心理・コミュニケーション学科心理学専攻)、公認心理師、臨床心理士。東京大学教育学部を卒業後、同大学大学院に進学。途中、米国アイオワ大学大学院に留学し、帰国後、東京大学大学院教育学研究科教育心理学専攻博士後期課程単位取得退学。大学の心理臨床センターや都内のカウンセリングセンターで臨床にも携わる。『「心の声」を聴いてみよう! 発達障害の子どもと親の心が軽くなる本』(講談社)など著書多数。

『発達障害 僕にはイラつく理由(ワケ)がある!』
著者 かなしろにゃんこ。 監修・解説 前川あさ美 定価1540円 講談社

「イライラしやすい・キレやすい」「話しかけると怒り出す」「人の気持ちがわからない」「整理整頓ができない」etc.……、発達障害のある子が起こしがちな“問題行動”。そこには当事者にしかわからない、深~いワケがありました! 発達障害の当事者の言葉をもとに、その内面を漫画化した異色のコミック。専門家による「対応の工夫とヒント」も満載です。

漫画/かなしろにゃんこ。
監修・解説/前川あさ美
構成/からだとこころ編集チーム