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欠かせない「3つの帽子」は、スタイルを作る“私の定番“【岡本敬子の50代ファッション】

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ミモレの連載「好きな服を自由に着る!」で人気の服飾ディレクターの岡本敬子さんが、このたび新刊『私の定番』を刊行されました。この本の中で「誰かに決められた『定番』なんていうものは自分にとってはしっくりきません。ひとりひとり『定番』というものが違うからこそ見ていて楽しいし、着ていて面白いのではないかと考えています」と岡本さんが語られている通り、日々のスタイルを作る愛する“定番アイテム”がたくさん登場します。
今回は新刊のなかより、定番の帽子をご紹介します。
 

キャップ

 

「マスクありきでスタイリングを考える時、意外とキャップが一番しっくりきたのがキッカケ。小粋にかぶるにはサイズ感が大切。それぞれの人の頭のサイズ次第なので一概には言えないけれど、個人的にはツバが長すぎず6枚はぎで浅めの形が好き。カジュアル、綺麗め、どちらにもフィットするんです。スポーティなものではなく、コットン地に ロゴが刺繍されているタイプが主流です。好きになって目がいくからか、街にも素敵にかぶっている人が増えたような。キャップ×サングラス×マスクで怪しい人風でも気にしません(笑)」

キャップは全てYOUNG&OLSEN


フェイクファーの帽子

 

「シニヨンヘアが基本なので、帽子選びの基本はヘアスタイルを崩さないもの。耳当てのあるフェイクファー素材のフライトキャップは、元々メンズアイ テムだったようですが最近はアレンジされて可愛いものが増えました。寒くなるにつれスタイリングは重たくなっていくもの。そこでこんなボリュームある帽子を頭にかぶることで、重心を上に持っていくことができて、スタイリングバランスが取りやすくなるんです。ふわふわもこもこの力が、どんなスタイリングも柔らかな印象にしてくれます」

上、下ともに CA4LA


ストローハット

Santa Fe Hat Companyにて購入

「大好きな映画『Jazz On A Summer’s Day(真夏の夜のジャズ)』は1958年の『ニューポート・ジャズ・フェスティバル』が映し出されたドキュメンタリー映画。観客たちの装いがファッション雑誌から抜け出たのかと思うくらい、エレガントでおしゃれなんです。ブラジル人歌手のERIS REGINAの『COMO&PORQUE』のレコードジャケットの表紙で本人がかぶっているストローハットなど、ファッション雑誌以外からも装いのヒントをもらっています。 訪れたサンタフェで現地調達したストローハットはそんな私の好みが詰まった永遠の定番になりそう」

 

岡本 敬子

アタッシュ・ド・プレス、「KO」ディレクター。文化服装学院スタイリスト科卒業後、スタイリストオフィスに入社。その後、大手アパレル会社のPR部門にて国内外のブランドのPRを担当。独立し、アタッシュ・ド・プレスとして複数のブランドを担当しながら、2010年に自身のブランド「KO」を立ち上げている。現在はnanadecorにて「KO」ラインを、千駄ヶ谷のショップ「Pili」のディレクションも手がける。instagram:@kamisan_sun

『私の定番』
岡本敬子 著 光文社 1980円

ミモレの連載でもお馴染み、大人気ファッションディレクター岡本敬子さんのスタイルブック。今回のテーマはずばり“定番”。よくある無難さとは一線を画す、「好き!」が詰まったアイテムが集まり、目にも楽しい1冊。好きな服に袖を通して、軽やかにおしゃれがしたくなる。千駄ヶ谷のセレクトショップ「Pili」でディレクターも務め、そのセンスで絶大な支持を得ている著者の、唯一無二のスタイリングを集めて紹介します。


前回記事「秋ワンピースに合わせる「定番スニーカー」2足【岡本敬子の50代ファッション】」はこちら>>

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