沖縄の本土復帰50年や、英国エリザベス女王の国葬など、歴史の節目となる出来事があった2022年。
新型コロナ感染が終息したわけではないですが、世の中全体が活動を再開し、以前の日常生活が戻りつつあるなかで、雅子さまも国民の前に姿をお見せになる機会が少しずつ増えてきました。

公務のたびに生き生きとした笑顔を見せる雅子さま。皇室を長く担当し取材を続けている毎日新聞客員編集委員の大久保和夫さんが、今年のご様子を振り返ります。

2022年12月9日、雅子さまは59歳に。写真/宮内庁提供


リアルでの地方訪問を再開


――12月9日、雅子さまは59歳の誕生日にあたり、宮内庁を通してお誕生日に際してのご感想を公開しました。雅子さまの今年一年を振り返っていかがですか。

 

「コロナ禍のために雅子さまは地方へのお出かけができず、3年近くオンラインでの行幸啓をされてきました。
その中で、10月に開催された栃木県での国民体育大会を皮切りに、沖縄県、11月の兵庫県の全国豊かな海づくり大会と、立て続けに実際に現地にお出かけできるようになったのです。

2022年11月13日、「全国豊かな海づくり大会」の式典に出席された両陛下。写真/The Asahi Shimbun/Getty Images

本当に久しぶりの地方への行幸啓でした。雅子さまはお誕生日のご感想の中で、

各地で大勢の方に笑顔で温かく迎えていただいたことは、想像していた以上に嬉しく、また、有り難いことでした。

と述べられています。『想像していた以上に』とのお言葉に、雅子さまの地方訪問の感慨が込められています。今年最大の特徴は、依然コロナ禍ではありますが、少しずつ本来の皇室のご活動が戻りつつある年だったといえるでしょう」

――2022年は沖縄が本土復帰50年を迎え、天皇陛下と雅子さまは10月22日から23日にかけて即位後初めて沖縄県を訪問されました。
これは戦後生まれの天皇皇后両陛下として、初めての沖縄訪問でもありました。

2022年10月23日、沖縄県を訪問された両陛下。雅子さまは落ち着いた色味のイエローのセットアップをお召しに。写真/The Asahi Shimbun/Getty Images

「5月に行われた沖縄の本土復帰50年の記念式典はオンラインでしたが、10月の『美ら島(ちゅらしま)おきなわ文化祭2022』にはぜひ現地で出席したい、とご希望されたと聞いています。
事前に高良倉吉琉球大学名誉教授からレクチャーを受け、沖縄について改めて勉強されてから行かれました。
今回の沖縄訪問は、平成の両陛下から令和の陛下と雅子さまへ、天皇家の想いをきちんと引き継ぐようなかたちになったと思います」

――これまでも沖縄から本土に小中学生の「豆記者」が訪問し、天皇家と交流されてきました。
陛下は5歳から沖縄の豆記者たちとの交流などを通して、歴史や文化を学ばれ、2016年に赤坂御用地内で行われた交流会には、雅子さまと当時中学3年生だった愛子さまも参加されて一緒にバレーボールを楽しまれています。今回は懐かしい出会いもあったようですね。

「そのときに会われた豆記者たちが宿舎でお出迎えして、旧交を温めました。
陛下と雅子さまが常に沖縄のことを心にとめながら、皇室の活動をされてきていることが非常によく表れた沖縄のご訪問だったと思いますね」
 

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【写真】2022年・雅子さまの装い
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1 写真/Kyodo News/Getty Images
2-3 写真/JMPA(嶋田礼奈/講談社)
4-5 写真/The Asahi Shimbun/Getty Images
6-11 写真/JMPA
12-14 写真/JMPA(椎野充/講談社)
15.16.18.19 写真/代表撮影/ロイター/アフロ
17 写真/REX/アフロ
20.21 写真:毎日新聞社/アフロ
22.23 写真/©JMPA(日本雑誌協会代表撮影)

 
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